【基礎知識】 離婚する時に子供のことで、何を決めなければならないの?|静岡市の弁護士 花みずき法律事務所

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離婚問題の基礎知識

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【基礎知識】 離婚する時に子供のことで、何を決めなければならないの?

離婚の時に、子どもについて決めておかなければならない事にはどのような事がありますか?

弁護士からのアドバイス

離婚すれば夫婦は完全に他人です。

でも親子のには血のつながりがあるので、他人とはなりません。

法律上、離婚後も親子の関係は続いていきます。

つまり、離婚後も、子供は両親の財産を相続できますし、未成年の子については親(特に父親)には扶養の義務があるのです。

離婚の責任は、子どもにはありませんので、離婚にあたっては、子供のために色々と決めておかなければなりません。

離婚のときに子どもについて決めておかなければならない基本事項は、次の3個です。

 

1.子どもをどちらが引き取るか(親権の問題)

夫婦に未成年の子どもがいる場合、結婚している最中は夫婦が共同で育てるので、夫婦が共同で親権を行使することになります。

しかし、離婚すると仲良く親権を行使することは期待できません。

そこで、夫婦のどちらか一方が子どもを引き取って育てていかなければなりません。

この子どもを養育(よういく)してその財産を管理する親を親権者(しんけんしゃ)と呼び、この親権者を夫婦のいずれにするのかを定めなければなりません。

どちらが子どもを引き取るか話し合いがつかない場合には、離婚の調停・裁判の中で親権者が指定されることになります。

その判断する基準としては、乳幼児についての母親の優先、現実に子どもを監護教育している親は誰か、継続して養育できるか、兄弟を分けないで育てられるか、子どもの意思(特に15才以上の場合)、精神的・経済的家庭環境などがあります。

現実には、15才未満の未成熟な子については、母親が親権者に指定されることが殆どです。

これに対して、子の年齢が15才以上の場合には、子の意思が尊重される傾向にあります。

 

2.子どもを養育しない親の養育費(よういくひ)の分担額・支払方法

子供を引き取った親が子供を養育するのは当然ですが、養育していない親にも扶養義務があるので、子の養育費を支払わなければなりません。

養育費は、子どもが成人するまでの衣食住の費用・医療費・教育費・おこづかいなどです。

支払の期間は、高校卒業まで、20才まで、大学を卒業するまで、などの定め方がありますが、未成年の子を養育するという観点から、20才までと定めることが多いようです。

養育費の具体的な額を決めるのに最も参考になるのは、裁判所のホームページの養育費簡易算定表です。

裁判所のホームページから見たり、プリントアウトしたりできるので、参考にしてください。

養育費の取り決めをする場合には、公証人役場(こうしょうにんやくば)(場所は下のリンクを見てください。)で「支払わない場合には強制執行(きょうせいしっこう)しても構いません。」という一言(強制執行認諾文言 きょうせいしっこうにんだくもんごん)を入れた公正証書(こうせいしょうしょ)を作成しておくことができます。

この証書があれば、後で支払がなされない場合に、裁判を起こさなくても、その公正証書をもとに義務者の預金や給与を差し押さえて強制的に支払を受けることができます。

また、夫婦双方に話し合いができている場合には、家庭裁判所に対して離婚調停を申し立てて、調停で調書にしてもらっても未払養育費を根拠に給与の差押えをすることができます。

実は、費用は調停で行う方が公正証書より安い(数千円)のですが、裁判所に申立をして出頭するというハードルが高いことや調停離婚の旨が戸籍に記載されるので、それを避けるために公正証書は利用されているようです。

 

【公証人役場の場所・連絡先】

 

3.子どもを引き取らない親の子供に会う回数・時間(面会交流 めんかいこうりゅう)

離婚して子どもと別れて暮らしていても、親子の関係は切れないわけですから、親としては子どもに会って話をしたり、将来の相談をしたり、愛情をお互いに確認したいのは当然です。

そこで、子供を実際に監護していない親には、面会交流権が認められています。

後々トラブルにならないよう、離婚にあたっては、面会交流の内容を書面で定めておく必要があります。

例えば次のような条項を定めることになります。

「母親〇〇は、父親〇〇に対して、毎月1回第2日曜日の午前10時から午後5時まで、子どもと面会させる。」

もっとも、以前子どもを虐待したことがある親だったり、連れ去りの危険がある場合には、面会交流が認められない場合もあります。

もし、夫婦の間で、面会の回数、時間、方法などについて合意ができない場合には、家庭裁判所に面会交流調停の申立をしていくことになります。

面会交流調停では、調停委員を介して面会の条件について話し合いますが、ここでも折り合わない場合には、審判といって裁判官が決定を下すことになります。

もっとも、実際には、子供と親が会うのに、裁判所の命令で無理やり合わせるという形は望ましくありません。

お互いに我慢できる範囲で譲り合って、調停の話し合いで条件を決めた方が、その後の子供の成長のためには良いというのが実務の感覚です。

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