自己破産すると全てを失うの?
破産すると、債権者に返済するために自動車や生活用品も全て売り払わなければならず、住むところも、仕事も失うというのは本当ですか?
弁護士からのアドバイス
破産すると、選挙権がなくなったり、債権者に返済するために自動車や生活用品も全て売り払わなければならず、住むところも、仕事も失うという話を聞くことがあります。
でも、それは誤解であり、そのようなことはありません。
確かに、破産手続では、破産管財人という役割の弁護士が、破産した人の財産をお金に変えて債権者に返済(配当)をしていく手続をとります。
しかし、破産手続にはもう一つの目的があります。それは、破産した人についてもう一度、経済的に立ち直らせることです。
ですから、生活必需品や最低限の生活費は確保することができますので、アパートなどであれば現在の住居に住み続けられます。
自動車も6年以上経過していて、かつ高価なものでなければ確保することができます。(ローンの担保になっていないことが必要です。)
そして、債権者に返済する財産も無い場合には、すぐに破産手続は終了して(同時廃止)、残りの借金はゼロにする決定(免責決定)がなされます。
また、選挙権が無くならないのはもちろん、破産する事業でない限り、通常のサラリーマンであれば、仕事はそのまま続けられます。
更に、破産した場合には、本人の財産だけが目的になるので、配偶者(夫・妻)や親子であっても、財産をもっていかれることはありません。
もっとも、財産隠しの目的で家族名義に変更するなどした場合には、これを否認して、破産手続で清算されることもあります。
これに対して、破産する方の名義となっている自宅は売却しなければなりません。
このとき、引っ越しをする費用を出せないという場合には、不動産売却代金から出してもらうことが認められるケースもあります。
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