インターネット名誉毀損の交渉前の準備は?
会社の社長の女性問題や犯罪など、ウソのことがインターネット上で書かれています。まず、何から取りかかったら良いのでしょうか?
弁護士からのアドバイス
2つの点に注意!
インターネット上の名誉毀損の場合には、①誰が書き込んだのか分からない、②時間がたつと情報が消えてしまうという特殊性があります。
そこで、この二つの点に注意した準備が必要です。
書き込まれた情報の保存
まず、被害者は書き込まれた情報を保存しなければなりません。
その場合には、例えば電子掲示板に書き込まれた場合には、名誉毀損の書き込みだけでなく、その書き込まれた前後の別の書き込みも広く保管する必要があります。
一つの書き込みがあると、それと関連した書き込みが飛び飛びに書き込まれることがあります。
名誉毀損にあたるか否かは、関連する書き込みとの合わせて判断されることも多いため、他の書き込みの保存も必要となるのです。
例えば、次のような書き込みが電子掲示板にあった場合を考えてみましょう。
「A社の〇〇社長は前科があるらしい」
「前科って何?」
「若い頃からやんちゃしてたらしいよ」
「じゃ、お客さんのお金も取っちゃって返さないかも?」
「ドロボウだからな」
という書き込みがあった場合、最初の「前科」から最後の「ドロボウ」までの記録がないと、「A社の〇〇社長に窃盗の前科がある」という名誉毀損の書き込みがされたことを証明できません。
そのためには、書き込んだ人だけでなく、質問をした人の書き込みも一緒に保存しておかないと全体として意味が分かりにくいのです。
保存方法としては、まずはプリンタを使ってプリントアウトしておきましょう。
そして、電子データとしてUSBメモリ等に保管できるのであれば、それも一緒にコピーしておきましょう。
電子データの場合、紙の情報では保管できない情報も入っている可能性があり、後の訴訟などで役に立つことがあります。
更に、インターネット上では情報の拡散がされていることが多いです。
閲覧者が興味を持ちそうな有名な業や官公庁の情報が掲示板に記載された場合、他の掲示板やSNS(ツイッター・フェイスブックなど)にコピーされたり紹介されたりします。
これ自体は、書き込みをした人が直接関わっていないことが多いのですが、被害者にとっては名誉毀損の重大性を証明する重要な証拠です。
他に拡散した情報を見つけたら同じように保管しておきましょう。
URLなどの情報確認
書き込みされた電子掲示板には、ブラウザ(グーグル・クロームやマイクロソフト・エッジなど)の画面上の上のところに、httpやwwwで始まる情報が書かれています。
これをURLといいます。
電子掲示板やホームページには複数のURLが設定されているものもあります。
URLはインターネット上の住所に相当するものですが、本来はIPアドレス(数字の羅列)として保管されている情報を人の目で見て分かりやすくするために文字に置き換えられたものです。
そして、「同じIPアドレスを同時には使用しない」というのがインターネット上の約束です。
そのため、URLが異なっていてもIPアドレスは同じ=ホームページ・電子掲示板は同じということはよくあります。
念のため全てのURLを控えておきましょう。
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