国選弁護人と自分で弁護士を選ぶ時の違いは?
良く「国選弁護人」という言葉を聞きますが、自分で弁護士に依頼する場合とどう違うのでしょうか?
弁護士からのアドバイス
行う仕事も権限も全く同じです。
まず、民事事件と違って、刑事事件では警察や検察官から罪を問われている人(これを被疑者とか、被告人とかといいます。)を正式に援助する人のことを「弁護人」と呼びます。そして「弁護人」は弁護士しかなれません。
もっとも、ホームレスなど、お金がなくて弁護士に依頼できない人が弁護人抜きで裁判を行ってしまうと、そういう人だけが、無罪のはずなのに有罪になったり、罪が重くなりすぎたりしてしまう危険性があります。
そこで、国の費用で弁護士費用を支払って、裁判所が弁護士を選任するのです。
これを、国が選ぶという意味で「国選弁護人」といいます。
これに対して、ある程度収入があれば、弁護士費用を支払えます。
その場合には国の費用を利用することはできず、自分で色々な事務所の中から弁護士を選ぶ必要があります。
この場合の弁護人を自分(私)が選んだという意味で「私選弁護人」と呼ぶのです。
結局、「弁護人」であることには変わりないので、弁護士ができる活動の範囲は全く同じです。
ただ、依頼者の方にとって、国選弁護人の場合には自分で選べないのに対し、私選弁護人の場合には自分で選ぶことができるという違いがあるだけです。
なお、誤解して欲しくないのは、「国選弁護人は仕事が無くて腕の悪い弁護士がなるものだ」という大きな嘘の情報です。
国選弁護人名簿に登録している弁護士でないと、むしろ刑事事件の事件経験数が相対的に少なくなってしまう傾向があります。
そのため、私選弁護人を選ぶときにも、国選弁護人をやっている弁護士の中から選んだ方が間違いがないです。
ただ、私選弁護人の場合には、依頼者からしっかりと着手金と成功報酬をいただくことになるので、国選弁護人の場合よりもより依頼者や親族の方を安心させるようなサービスを付加する事務所が多いようです。
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