生きてる親の遺産を期待する権利はあるの?

最近、アメリカのTVドラマ「プリズン・ブレイク」にはまっています。

 

DVDを借りてきて、時間がある日に一話づつ見ています。

 

予測できない展開に目がはなせません。

 

日本のTVドラマではやらないような残酷なシーンもあって、国の違いを感じたりしています。

 

さて、今回は相続のお話をしたいと思います。

 

親がまだ生きているのに、その遺産を期待することは法律的に認められた権利なのでしょうか?

 

「生きている親の遺産目当ては虫が良すぎる」

 

「いや、親の財産を子があてにするのは当然」

 

など色々な意見がありそうです。

 

結論は、「認められない。」です。

 

最高裁判所の判断としては、まだ相続人になっていない人(推定相続人)の権利は、単なる期待権であって、具体的な権利を持つものではないとしています。

 

では、どんな場合に、問題となるのでしょうか?

 

裁判で争われた事例をシンプルに説明すると次のとおりです。

 

Aさんは、Bさんの息子(養子)です。

 

最初は仲良くやっていたのですが、だんだんBさん(親)とAさん(子)との折り合いが悪くなってしまいました。

 

そんな時、Bさん(親)は、Cさんに所有していた土地・建物を全部売却して、移転登記もしてしまいました。

 

Aさん(子)は、次のような主張をしました。

 

「BからCへの売却は、自分に相続させないようにするための虚偽のものであって無効である。」

 

「そして、このような売却は自分の相続の期待権侵害するものであるから、自分はBに代わって抹消登記の請求をすることができる。」

 

これに対して、最高裁判所は、Aさんに「期待権」があることは認めつつも、Aさんは、Bさんの個々の財産に対して何らの権利を有するものではないとしました。

 

「期待権」というのは法的に保護されるような具体的な権利ではないという判断だと思われます。

 

「親が生きているうちに、親の遺産はあてにするな」というのが、判例の考え方のようです。

 

相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

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カテゴリー: 相続のお話 |

離婚したいときには別居した方が有利?

静岡は今日は暖かくて良い天気です。

 

このまま春になりそうな気分になってしまいますが、最近の気候だと油断は禁物でしょうね。

 

今回は離婚についてお話してみたいと思います。

 

離婚のご相談を受けていると離婚したいんですが、別居した方が有利でしょうか?」と質問されることが結構あります。

 

このような時、夫と妻とでは、私は違う回答をすることにしています(なお、妻は専業主婦かパート程度の収入の場合を前提としています。)。

 

妻の方には、「早めに別居した方が離婚につながりやすいですが、生活は苦しくなるかもしれません。」と言います。

 

夫の方には、「別居は良ですが、生活費婚姻費用)をしっかり送らないと離婚の請求をした時、かえって不利になることもあります。」と言います。

 

夫と妻との場合で違うのは、夫婦生活がどちらの収入を中心にしていたのかによるんです。

 

多くのケースでは、夫の収入を中心に夫婦生活がなりたっています。

 

そうすると、別居した場合、妻の方は、夫から生活費をもらわないと生活していけません。

 

この生活費のことを「婚姻費用」と言います。

 

でも、婚姻費用だけで、妻が別居生活を維持できる程の額にはならないんです。

 

例えば、妻が幼稚園と小学生の子共二人を連れて別居したとします。

 

夫の年収600万円(総支払額)、妻の年収100万円程度だったとします。

 

この場合の裁判所での婚姻費用の基準額は、毎月12万円程度です。

 

この金額だけでは、二人の子どもを抱えて生活を維持できませんよね。

 

当然、自分で働いて、相当額の収入を得なければなりません。

 

別居してしまうと、同居していた時よりも、夫の収入に頼れなくなってしまうんですね。

 

逆に夫の立場だと、「別居した妻に生活費(婚姻費用)を払わなければならないのは、バカらしい・・・」と思うかもしれません。

 

でも、ここで婚姻費用を払わないと、収入に乏しい妻を見捨てたことになります。

 

これは、離婚事由にある「悪意の遺棄あくいのいき)」にあたってしまう可能性があるんです。

 

もし夫が「悪意の遺棄」をしたということになると、婚姻の破綻について責任のある配偶者(これを「有責配偶者ゆうせきはいぐうしゃ)」と言います。)に当たります。

 

有責配偶者から婚姻の破綻離婚の請求をする場合、裁判例では中々離婚が認められにくいという傾向があるんです。

 

自分から婚姻関係の破綻を作っておいて、離婚を請求するのは信義に反するということなんでしょうね。

 

ですから、夫は離婚したければ、別居した妻に相当額の生活費(婚姻費用)を払い続けた方が良いんです。

 

「もう一緒に居られない!」

 

そう思った時には、今後の生活について十分考えてから別居した方が良いようです。

 

離婚の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

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弁護士の仕事好き?嫌い?

仕事、好き?嫌い?
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弁護士の仕事は、色々なトラブルを扱うので、神経を使うこともありますし、感情がぶつかる場に出くわすことも数多くあります。

ですから、仕事にストレスが全く無いと言えばウソになります。

でも、「収入を保証するから、仕事はするな」と言われたら、やっぱり困ります。

一生懸命仕事をやって、良い結果が出たり、依頼された方から感謝の言葉をいただいたりした時の達成感は忘れられません。

例えば、

民事訴訟で、双方が納得できるような和解が出来た時、

刑事弁護人として弁護して、被告人の家族から泣いて喜んでもらった時

などは、本当に良かったと思います。

もちろん、訴訟で完全勝訴の判決をもらった時も達成感はあります。

でも、むしろ困難な事件を、双方納得の和解で解決できた時の方が不思議と嬉しいんです。

双方が納得できる和解は、当事者と弁護士・裁判官が、上手にコミュニケーションをとらないとできません。

ですから、和解成立に向けて、それまで皆が相当の苦労をしているので、その努力が実を結んだという達成感があるのだと思います。

このように書くと、ウキウキ仕事をしているように思われるかもしれませんが、実は、悩んだり、落ち込んだりもしながらやっているんです。

だからこそ、上手くいった時に嬉しいんでしょうね。

仕事は、収入を確保するためだけではなく、「人を助けられたり、自分を鍛えたり、成長させたりするもの」というのが私の感想です。

日曜も仕事の谷川でした。

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 弁護士 谷川樹史(たにかわ・もとし)

カテゴリー: ご報告や雑感 |

自動車が全損した場合どここまで請求できるの?

先週の土曜日には、8士業の合同相談会がありました。

 

8士業とは、①弁護士、②司法書士、③不動産鑑定士、④弁理士、⑤公認会計士、⑥税理士、⑦社会保険労務士、⑧土地家屋調査士です。

 

私が相談を受けた売掛金の回収について、回収できなかった場合には、確定申告はどうなるか聞かれて、税理士の方に相談に乗ってもらいました。

 

問題が複数の士業の分野にまたがることもあるので、相談される方にとっては、非常に便利な相談会だったと思います。

 

私自身も、他の士業の方々と交流ができて、とても勉強になりました。

 

今後は、行政書士の参加も含めて拡大していく方向のようです。

 

さて、交通事故のお話の続きですが、今回は自動車全損した場合の損害額についてのお話です。

 

交通事故で、自動車のフレームなど重要な部分についても損傷が及んで、修理しても元通りにならない場合があります。

 

このような場合に、損害額はどのように評価するのでしょうか?

 

結論としては、「修理費用>車両時価+買い替え諸費」の場合には、経済的な全損として、買い替え費用が損害と認められます。

 

良く「こんな大きな事故では、修理代の方が、買い替えるより高くつく」ということがありますよね。

 

そのような場合には、損害額は、修理費ではなく、買い替えに必要な車両代金と費用になるということです。

 

ですから、全損の場合、自動車時価がどの程度なのかは、とても大事な問題となります。

 

裁判例では、新車登録から19年経過したフェラーリが事故で大きな損傷を受けた事案があります。

 

このフェラーリを修理すると約319万円かかるので、「新車登録から19年も経過したフェラーリにはそれ程の時価は認められない」と争われた事案です。

 

この事案で、裁判所は

「フェラーリは製造後長期間経過したものであっても、カーマニアの間では憧れのスポーツカーとして相当な価値を有している」

として、このフェラーリに319万円以上の価値を認めました。

 

その結果、修理代の319万円が、加害者の支払う得べき損害として認められたのです。

 

もし、「19年も経過しているフェラーリには150万円程度の価値しかない」とすれば、修理代よりも時価が低いので、損害額は時価の150万円となります。

 

「一度、フェラーリを運転してみたいな」と思う私は、上の裁判所の基準によると、「カーマニア」に分類されるのでしょうか。

 

もっとも、全損なんてなったら、「慰謝料請求だ!」なんて涙目で言ったりするかも?(笑)

 

交通事故の民事事件の基礎知識についてはこちらをご参照ください。

 

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カテゴリー: 交通事故のお話 |

事故車で評価が下がった分は請求できるの?

今週も土曜日・日曜日とも仕事でした。

 

書面作成は、電話のない土日の方が集中できてはかどります。

 

とはいえ、年明けから休日をとっていないので、来週こそは、1日でも休みをとろうと思っています。

 

良い仕事をするには、適度な休養も必要ですよね。

 

さて、今回は、交通事故での事故車になってしまった損害についてのお話です。

 

交通事故を起こした場合、中古車市場でも「修復歴あり」と記載されてしまうことが多いため、軽い傷の場合と違って修理をしても元通りの価格で売却できまぜん。

 

では、この修理をしても回復できない損害(これを評価損といいます。)についても、加害者に損害賠償請求できるのでしょうか?

 

これは交通事故による物損の程度によります。

 

例えば、バンパーやフェンダー部分がへこんだ程度の事故では、評価損は認めてもらえません。

 

自動車のフレームが曲がってしまったなど、主要な部分について損傷が生じた時には、事故歴により商品価値の下落が見込まれます。

 

ですから、このような場合には、修理費用とは別に評価損を請求していくことができます。

 

評価損は、事故前の自動車の中古車価格と、事故後の中古車価格(事故車としての価格)の差額ということになります。

 

ただ、これを正確に評価することが難しい場合もあります。

 

そこで、裁判例では、修理費の2割~3割程度の金額を評価損として認めることも行われています。

 

この基準も決まったものではなく、事案によっては、修理費の4割~5割を評価損として認めるケースもあります。

 

新車価格772万5,000円のベンツを新車で買ったところ、新車引渡からわずか20分でぶつけられてしまった事案があります。

 

これは、ついていないとしか言いようがありません・・・

 

この事故は、自動車のフレームへの影響もあり得る大きなものだったので、修理費も相当高額になりました。

 

この事案では、東京地裁は、修理費約337万円の40%にあたる135万円を評価損として認めました。

 

購入してすぐの事故であり、大きく評価が下がることが見込まれること、損傷が自動車の中枢部に影響するようなものであったことが、考慮されたようです。

 

買って20分でぶつけられたら、本当は慰謝料も請求したいという気持ちでしょう。

 

でも、物損の場合には、原則として慰謝料認められません

 

家に自動車が突っ込んできたようなケースで、精神的平穏を害されたとして数十万円の慰謝料を認めている例がいくつかあるくらいです。

 

交通事故で得をすることは、余りないということですね。

 

交通事故の民事事件の基礎知識についてはこちらをご参照ください。

 

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カテゴリー: 交通事故のお話 |

交通事故の3つの法的責任

自動車を運転される方は多いと思います。

 

交通事故は、運が悪いと誰でも起こしてしまう怖いものです。

 

弁護士は、各地の警察に接見に行く時や、どうしても現地に行かなければならない事件の場合、自家用車を使うことが多いです。

 

特に警察署は電車の駅から遠いことや、捕まった人がいた場合には原則として24~48時間以内に会いに行かなければならないので、自動車が必要なんです。

 

私も自動車の運転には十分気をつけているつもりですが、いつ事故にあうか分からないという気持ちはいつも持っています。

 

もし、交通事故を起こしてしまった場合、責任は一つではなく、「3つの責任」が問われます。

 

まず一つ目は、行政上の責任です。

 

交通事故の原因には、安全運転義務違反、スピード違反、一時停止違反、酒気帯びなど色々あります。

 

これらの行為については、それぞれ点数が決められています。

 

また、人身事故を起こすと、更に点数が加算されます。

 

初めての違反の場合、この点数が6点以上から免許停止、15点以上になると免許取消になるということは聞かれたことがあると思います。

 

そして、この場合には反則金を払わなければならないという責任も問われます。

 

このような点数の付加免許停止取消処分反則金の支払という責任が、行政上の責任です。

 

あくまで、行政上の責任ですから、刑事罰と違って前科という訳ではありません。

 

でも、反則金の金額は改正の度に高額になっているので、違反をしてしまうと負担は決して軽くはありませんよね。

 

さて、交通事故を起こしてしまった場合の二つ目の責任とは何でしょう?

 

二つ目刑事上の責任です。

 

例えば、故意に建物に突っ込んだり、自動車と衝突をするなど物を壊す運転をすれば、建造物損壊罪器物損壊罪という刑事罰が科されます。

 

また、運転をしていて不注意で人にケガをさせたり、死亡させてしまえば(人身事故)、自動車運転過失致死傷罪危険運転致死傷罪などの刑事罰が科されます。

 

これは、刑事罰なので、もちろん前科となってしまいます。

 

過失で人身事故を起こした場合、被害者のケガが軽かったり、示談が早い段階で成立していたりすると、法廷で審理せず、罰金で終わる場合もあります。

 

これに対して、被害者が骨折するなど傷害の程度が重かったり、死亡したような場合には、法廷での審理(公判)を開くことが多いです。

 

公判で審理されても、初犯で、特に悪質性が高くなければ、禁固又は懲役刑に執行猶予がつく可能性は高いです。

 

また、悪質なケースでない場合には、勾留されないで、自宅に返されて、裁判の時に自分で出頭してくれば良い(在宅事件)ことも多いです。

 

ただ、被害者が死亡しているケースは、遺族の被害感情がとても強い場合も多いので、弁護人として引き受ける場合には、相当の覚悟が必要です。

 

私も過去に何回か被害者亡くなられている交通事故の刑事裁判の弁護人をしたことがあります。

 

ケースによっては、被告人(加害者)のために、被害者の落ち度(例えば、道路に飛び出してきたなど)を主張しなければならないこともあります。

 

遺族の気持ちを考えると相当つらいものがありました。

 

交通事故は、被害者も加害者も、その人生を変えてしまうので、本当に気をつけたいものです。

 

さて、交通事故3つの責任の最後は、民事上責任です。

 

民法には、故意又は過失によって他人の権利を侵害した者は損害賠償の責任があるという定めがあります。

 

これを不法行為ふほうこうい)と言います。

 

不注意で交通事故を起こして、他人をケガさせたり死亡させてしまった場合には、過失により他人の権利(生命・身体)を侵害したことになりますよね。

 

ですから、民法のこの規定によって、加害者は被害者に対して損害賠償の責任を負うのです。

 

この損害賠償の責任、つまり損害金に代えて支払うという責任が民事上の責任です。

 

この損害賠償の額は、人が死亡したり、大きなケガで後遺症が残ったりすると、数千万円になります。

 

簡単に支払える金額ではないため、保険が必要になります。

 

強制で自動車損害賠償保険への加入が義務づけられていますが、それだけでは賠償額が不足することが多いです。

 

そこで、多くの方は任意の自動車損害賠償保険に加入していると思います。

 

事故が起きた場合には、その任意で加入している保険会社に相手の保険会社と交渉して、損害賠償の額を決めていったりします。

 

ただ、保険会社が被害者に提示する額は、過去の裁判例よりやや低い額の場合もありますが、むしろ、かけ離れて低い場合の方が多いように思えます。

 

ある事案では、保険会社から約800万円の提示を受けたとのご相談でしたが、裁判で法的に認められる額を争ったたところ約3,000万円の裁判所の判断がありました。

 

保険会社から提示を受けたら、まず、お近くの弁護士にご相談の上、提示額が妥当かどうか確認した方が良いでしょう。

 

交通事故の民事事件の基礎知識についてはこちらをご参照ください。

 

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新事務所スタートです!

先週の金曜日に電話もFAXも開通し、昨日から実質的に新事務所をスタートしました。


以前まで所属していた「すんぷ総合法律事務所」と同様、今後もよろしくお願いいたします。


PCブログの方の背景も、心機一転、変更してみました。


昨日は、午前中は静岡市の消費生活センターの法律相談、午後は、裁判1件、調停1件、その間に少年事件の記録閲覧と調査官面談が入り、夕方6時~打ち合わせでした。


ギッシリ詰まったスケジュールで、時間に追われた一日でした。


これから、弁護士会や法テラスへの届出、裁判中の事務所変更の連絡も事務員さんにやってもらいます。


ここ1~2週間は、ある程度きついスケジュールを覚悟しなければと思っています。


せっかく事務所を開設したので、読者の皆様に事務所をご紹介させてください。


まず、外観です。



弁護士のお役立ち情報と雑感@静岡-事務所ドア


当事務所は、2階ですが、同じ建物の3階にもう一つ法律事務所が入っていますので、看板も二つ並んでいます。

弁護士のお役立ち情報と雑感@静岡-事務所外観2


次に、ここが入り口のドアです。




弁護士のお役立ち情報と雑感@静岡-事務所外観1


事務所名と一緒にロゴを入れてもらいました。


暖かく、優しいけれど、しっかり感もあって、結構気に入っているロゴです。



そして、ここが相談室です。

弁護士のお役立ち情報と雑感@静岡-相談室


相談される方々が入る場所なので、テーブルはできるだけ良いものを選びました。


形も楕円形にして、できるだけ緊張しないでお話ができるように努力しました。



そして、ここが私の仕事スペースです。

弁護士のお役立ち情報と雑感@静岡-仕事机


当初の図面では、私が壁の方を向いて座る形になっていました。


でも、昔から景色を見ながら仕事をする癖がついていたので、わがままを言って、窓向きにしてもらいました。


景色といっても、見えるのは隣のセブンイレブンと道路を走る自動車ですが・・・


疲れた時には、セブンイレブンで栄養ドリンクを買ってきてがんばりたいと思います。


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カテゴリー: ご報告や雑感 |

中学生刺傷事件

あるホームセンターで、中学生の男子生徒を刃物で刺した男が逮捕されました。

 

男は男子生徒を刺した後、自動車で逃走しましたが、コンビニ店に駐車している所を、警察官に職務質問されて、容疑を認めたそうです。

 

この事件では、職務質問で容疑をすぐに認めているので、緊急逮捕が出来たのだと思います。

 

「職務質問」という言葉は聞いたことがある方はいると思います。

 

警察官が、職務を執行する上で、必要な場合に出来る質問です。

 

法律では「警察官職務執行法(けいさつかんしょくむしっこうほう)」の2条で定めされています。

 

この規定では、警察官が質問をできる者を次の二つとしています。

 

① 異常な挙動などから、何らかの犯罪を犯したり、犯そうとしていると疑われる者

 

② 犯罪が行われたり、行われようとしていることについて知っていると認められる者

 

です。

 

今回の事件では、自動車の色やナンバーから、の理由があるということで職務質問をしたのだと思います。

 

この職務質問は強制的なものではなく、あくまで任意の手続です。

 

ですから、応じるかどうかは、質問を受けた人の自由です。

 

でも、今回のように重大な犯罪を犯した可能性が極めて高い場合に、被疑者が逃げようとするのに何もできないというのでは、あまりに無力です。

 

そこで、判例では、任意処分であることを前提に、必要かつ相当な行為であれば、一定の有形力の行使を認めています

 

例えば、今回の事件で、被疑者が警察官の質問に答えずに逃走しようとした場合には、エンジンキーを取り上げてこれを返還しない程度の行為はできます。

 

これに対して、被疑者自身の体を直接拘束するような行為は、職務質問をするため停止させるという範囲を超えてしまい、違法となります。

何か、微妙な表現で分かりにくいかもしれません。

 

実は、その分かりにくさが、刑事手続を定める刑事訴訟法の考え方の基本なんです。

刑事訴訟法の勉強をすると、「人権保障」と「真実発見」のバランスをどのようにとるかという問題を何回も問われます。

 

質問に伴ってあまり強制的な力を警察官に与えてしまうと、私達市民の自由(人権保障)が侵害されます。

 

かといって、質問は全くの任意で無視しても良いとすると、今回のような重大な事件の場合に、被疑者を逮捕して本当に犯罪を犯したか調べること(真実発見)が害されます。

 

そこで、判例では、両方のバランスをとろうとして、上に書いたような基準をとっているんですね。

 

もし、皆さんが、警察官から質問を受けた場合には、

 

上記の①②のどちらの事由で質問しているのか

 

人権保障と真実発見のバランスは適切か

 

などを考えてみると良いかもしれませんね。

カテゴリー: 時事とトピック |

新年おめでとうございます

今年も皆様にとって良い年でありますように。


年末年始は少しゆっくりできたので、明日から書類作成などの仕事を始めていきたいと思っています。


NTTの工事の関係で、新事務所の電話開通が1月7日になりますので、ホームページの電話番号は現在時点ではつながりません。


もし、ご覧になってお電話された方がいたら申し訳ありません。


ですから、実際の事務所が動き出せるのは3連休明けの1月11日からになります。


新事務所になり、色々と準備にバタバタしましたが、心機一転がんばりたいと思っています。


どうぞ、今年もよろしくお願いいたします。


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お腹の中にいる子(胎児)に法律上の権利はあるの?

今日は暖かいですね。

 

私は今日が一応仕事納めで、これから事務所の開設に向けた準備やお正月へ向けた準備をしていく予定です。

 

年末年始は、ブログの更新も1週間ほどお休みさせていただきます。

 

さて、今日は、母親のお腹の中にいる子の権利についてのお話です。

 

お腹の中にいる子のことを胎児たいじ)と呼びます。

 

この胎児には法律上の権利はあるのでしょうか?

 

例えば、夫婦の妻が妊娠した後に、夫が死亡した場合、胎児は相続できるのでしょうか?

 

法律の勉強では、「胎児の権利能力」というタイトルで説明されるところです。

 

結論としては、胎児が生きて生まれてくれば相続できます。

 

民法は、胎児を「人」としては認めていないんですが、例外的に次の3つの場合にだけ「人」と同じ権利を認めています。

 

その3つとは

 

 損害賠償の請求をする場合

 する場合

 遺言で財産を贈る場合

です。

 

まず、の場合の例としては、夫婦で妻が妊娠した後、医療ミスで生まれてきた子供に何らかの後遺症が残ったとします。

 

この場合、胎児が「人」と扱われなければ、母親のみが自分の母胎への侵害として損害賠償請求をするしかありません。

 

でも、胎児生きて生まれてくれば、さかのぼって胎児も「人」だったと扱われますので、出生した後に、医療ミスの損害賠償請求をすることができます。

 

次に、の例としては、夫婦で妻が妊娠した後、交通事故で死亡した場合が考えられます。

 

夫は死亡しているので、本来生きていれば得られた収入や慰謝料の損害賠償請求を加害者にすることはできません。

 

そこで、相続人がその請求をすることになります。

 

この場合、妻はもちろん夫の損害賠償請求権を相続できますし、先ほどの民法の規定によって、胎児も相続ができるんです。

 

ただ、胎児の相続には条件があって、胎児生きて生まれてくることが必要です。

 

つまり、死産の場合には、最初から胎児は相続しなかったことになります。

 

そうすると、相続権の第2順位の直系尊属(父母・祖父母など)、第3順位の兄弟姉妹がいれば、妻とともに相続することになります。

 

夫の兄弟姉妹が、自分が相続権を得るために胎児の死産を狙うなどの推理小説が書けそうですね。

 

最後にの例です

 

「お祖父さんが、息子には財産をやりたくないが、孫にはあげたい。」と思っている場合、遺言で胎児に財産を送ることができるんです。

 

もちろん、これも胎児が生きて生まれてくることが条件として有効となります。

 

このように、民法は胎児原則としては「人」とは扱いませんが、生きて生まれることを条件に、重要な権利だけは認めているんですね。

 

それでは、皆様、良いお年を!

 

相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

 

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