スギ花粉の量が急激に増えたようです。
静岡は全国的にもスギ花粉が飛ぶ量が多い上に、今年は特に多い年ということで、去年の薬が効きません。
私は、眼に特にひどい症状が出ています。
針でちくちく刺されているような痛がゆさが続いて、集中力が落ちてしまいます。
先週の金曜日に薬を変えてもらって、やっと通常の状態に戻りました。
さて、今回は弁護士の仕事内容で、皆さんが心配されるだろう事についてお話ししたいと思います。
弁護士の仕事をしていて良く聞かれることの一つに次のような質問があります。
「知り合いの弁護士と訴訟で対決するのって、やりにくくないですか?」
はっきり言われる方だと、
「知り合い同士だと、訴訟なんかで、なれ合いにならないんですか?」
実は、もともと仲の悪い弁護士同士が対決する形になると、依頼者にとって決してトクはありません。
訴訟は戦いだから、仲が悪くても良いと思われる方もいるかもしれません。
でも、弁護士の仕事に感情が入ると相手に意地悪をすることが最優先になって、依頼者の利益を忘れがちになってしまうんです。
例えば、相手が嫌いだから和解の提案をするのが嫌で、ただやみくもに戦って、適切なタイミングでの和解ができず、敗訴判決をもらってしまう。
勝訴判決をもらったけれど、敗訴した方が財産を隠して支払いに応じないという意地悪をして、結局、勝訴判決書が紙切れになる。
などということになりかねません。
実は、弁護士にとっては、戦い続けて判決をもらうということ自体は、日常茶飯事なのでそれほど怖くありません。
なぜなら、結論が悪い時には裁判官のせいにできるからです。
ところが、和解の交渉を積極的にする時には、依頼者と密接なコミュニケーションをとっておかないと、後で依頼者から弁護士の責任を追及されます。
たとえ話で言うと、弁護士の仕事は、プロスポーツの仕事と似ているのではないかと思っています。
例えば、プロのサッカー選手は、高校時代に同じチームでプレーしていた仲間と対決することも珍しくないでしょう。
その時、なれあいで、ゴールをはずしたり、ディフェンスで甘くしたりするでしょうか?
プロである以上、ルールの中で最大限の力を発揮するのが仕事ですから、相手が友達でも全力で戦いますよね。
ただ、仲が悪い相手だと、感情的なプレーが増えて、イエローカードをもらったり、レッドカードで退場になったりすることもあると思います。
これは、自分にとっても、チームにとってもマイナスです。
逆に仲が良い選手が相手だと、「ルールにのっとって全力を尽くす」というプレーになるのではないでしょうか。
そうだとすれば、弁護士の場合も、東京や大阪のような二大都市を除いては、知り合いの弁護士と対決することも多いのですから、むしろ事件と関係の無いところでは関係を良くしておいた方が良いと言えます。
また、普段は敵同士でも、プロ野球・サッカーの日本代表になると、今度は頼れる仲間として一緒に戦うこともあります。
弁護士も、個別の事件では相手方となっても、弁護団を作ると、全員が仲間として大きな事件を扱うことがあります。
このような点でも、共通点があると思います。
私がプロとして弁護士の仕事をすることを人生の一部として大切に思っているのと同様に、相手方となる弁護士も同様なので、悪い意味での慣れ合いはお互いに許さないんですね。
「弁護士同士で仲が良いから、なれ合いをする」
というよりは、
「弁護士同士で、事件解決に向けて良いコミュニケーションがとれたから、良い解決ができた」
ということの方がはるかに多いんです。
訴訟・調停などでは、できるだけ個人的感情は入れずに、冷静に依頼者の利益や紛争の解決点を考える。
そして、その実現のために、「法律」というルールの中で、全力を尽くす。
それが、結局は依頼者の最大の利益になると思っています。
自分を振り返ると、弁護士の仕事に慣れれば慣れるほど、自分の感情を優先する危険が増えるような気がしています。
いつの間にか、依頼者の利益よりも弁護士の「相手に勝ちたい」という感情が優先されたら、結果的に良い解決は絶対にできません。
そして、弁護士同士がいがみ合ったり、憎みあったりしたら、相手の弁護士を困らせたり、痛めつけること自体が目的になり、いわゆる依頼者を地上に置いたままの空中戦になりかねません。
私は、冷静に自分の依頼者の権利や立場を主張することと、相手方となる弁護士をリスペクトすることとは両立することだと思っています。
今後も、冷静に依頼者の方の利益を実現できるようがんばっていきたいと思います。
「弁護士のお話」の過去ブログ記事についてはこちらをご参照ください。
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