時効なんかに負けないぞ!

今回は、消滅時効に対する対抗手段のご説明です。

 

お金を貸した方は、消滅時効の進行に対してどのような手段をとるのが良いのでしょうか?

 

まず、一番簡単な方法は、「気持ちだけで良いです。100円でも返してもらえますか。」といって、一部の返済を受ける方法です。

 

時効には「時効の更新(中断)」という制度があります(令和2年4月1日改正法施行)。

 

それは、時効の進行がストップしてゼロに戻るという制度です。

 

その時効の更新(中断)の事由の一つとして「債務の承認」という制度が定められています。

 

100円の支払いは、この債務の承認にあたるんです。

 

お金を借りていなければ返済もしませんから、たとえ100円でも借金の一部を返済するということは、借金の存在を認めていることになるんですね。

 

その他には正攻法としては、裁判を起こすことがあります。

 

訴えを提起して、裁判所で勝訴判決をもらえば、時効が更新(中断)されて、判決期日から10年間は時効で消滅しません。

 

これは、裁判所という公の機関が、権利の存在を確定したので、その判断を尊重しようとするものです。

 

では、あと1週間で時効期間が経過するという緊急の場合はどうしたらよいのでしょうか。

 

こんな短期間では、弁護士を探して、訴訟を起こしてもらうのに間に合いません。

 

このような場合は、「催告」という制度が定められていて、相手に支払の請求をするだけで時効の進行を6ヶ月間待ってくれます

 

その間に訴訟の準備をすれば良いのです。

 

この支払の請求は、後で証明できるように内容証明郵便(配達証明付)で行うのがベストです。

 

内容証明郵便とは、郵便局で、どのような内容の書面をいつ相手に届けたか証明してくれる郵便です。

 

ですから、後から「郵便なんか届いていない」などという争いになりにくいんですね。

 

ただ、これは緊急の場合の措置ですから、6ヶ月ごとに内容証明郵便を送っても、時効期間を待ってくれるということはありません。

 

あくまで、時効の完成を猶予するものに過ぎないので、最初の内容証明郵便を送った後、6ヶ月以内に訴訟を起こすなどの手続が必要です。

 

忘れないよう、ご注意ください。

 

「日常生活の法律問題」の過去ブログ記事についてはこちらをご参照ください。

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その件はもう時効?

一昨日、自動車を運転していたら、右前方からおかしな音がしました。

 

しかも、何となく焦げ臭い臭いが・・・

 

自動車を路側にとめて、見たところ、右前輪がバースト(破裂)していました!

 

今年1月の車検の時には、「車検は通るけれど、タイヤはもう交換した方が良いですよ~」と言われていました。

 

「車検が通るんだからいいや」と安易に考えていたのが間違いでした。

 

久しぶりに、自動車のジャッキアップをして、スペアタイヤと交換しました。

 

雨が降っていなくて、本当にラッキーでした。

 

その日の夕方には、オートバックスで、新しいタイヤと交換してもらいました。

 

心なしか、運転も快適になったような気がします(気のせい?)。

 

さて、「時効」という言葉は聞いたことがある方が多いと思います。

 

昔の話を蒸し返したりした時に、「その件はもう時効だよ」などとごまかすことも、良くあるんではないでしょうか。

 

法律の世界で時効という場合、消滅時効取得時効があります。

 

消滅時効とは、先ほどの例のような場合で、ある権利が時間の経過によって、消滅して主張できなくなる場合です。

 

取得時効とは、逆に、時間の経過とともに、ある権利を取得できるという制度です。

 

例えば、境界線が不明確な土地について、自分の土地だと信じて10年間使用していると、所有権を時効で取得できます。

 

時の経過とともに築き上げられた事実を尊重しようとするものなんですね。

 

そして、消滅時効で良く問題になるのは、お金の貸し借りです。

 

友人にお金を貸した場合、いったいどのくらいの期間で時効となってしまうんでしょうか。

 

友達同士の貸し借りの場合、時効期間は弁済期から10年(令和2年の改正で、基準日以降の債権については、5年又は10年に変わりました)です。

 

ですから、返す時期を決めたら、消滅時効期間が経過する前に返してもらう必要があります。

 

もっとも、時効を主張するかどうかは、借りた友達の自由です。

 

「良心があるから、時効なんか主張しない!」と言えば、それはそれで有効です。

 

このように時効の効果を主張することを、時効の援用(えんよう)と言います。

 

では、友達同士の貸し借りなので、弁済期を定めなかったらどうでしょうか?

 

この場合には、貸し付けた日から時効が進行することになります。

 

なぜなら、民法は、お金の貸し借りで返還時期を定めていない場合には、貸主は相当の期間を定めて返還請求できると定めているからです。

 

この「相当の期間」は1日でも即日でも構わないので、貸したらすぐに請求できるので、弁済期も訪れたとして、時効も進行するということなんですね。

 

ですから、弁済期を定めないで、お金を貸すのは、貸す方にとっては危険だと言えます。

 

それでは、お金を貸した方は、借りた方が逃げ回っていたら、結局返してもらえずに終わるしかないんでしょうか?

 

実は、貸した方には、債権を確保する方法があります。

 

それはまた次回に。

 

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証明責任は誰にある?

台風が来ているようで、静岡でも昨日から、安定しない天気です。

 

東海地方は今日の夕方から夜にかけて、雨・風が強くなるようです。

 

台風の影響を受ける各地の皆様、十分お気をつけください。

 

さて、今回は証明責任という言葉について考えてみましょう。

 

色々な場面で問題になってくる言葉ですが、正確に定義すると、ちょっとわかりにくいです。

 

証明責任とは、「ある主要事実が真偽不明である場合に、その事実を要件とする自己に有利な法律効果が認められない一方当事者の不利益ないし危険」です。

 

わかりにくいですね~

 

ちょっと大ざっぱですが、分かりやすく説明したいと思います。

 

裁判所が判決を下すには、争いのある事実について、その事実が有るのか、無いのか確定しなければなりません。

 

でも、裁判は、「当事者が証拠を提出して主張をしていく」という形になっているので、当事者の提出する証拠が不十分だったりすると、事実を確定できないことがあります。

 

しかし、そんな場合にも、私たち国民には裁判を受ける権利がありますから、裁判所(裁判官)は、「よく分かりません」という理由で裁判を拒否することができません

 

そこで、あらかじめ、訴訟の当事者(原告・被告)に、証明が必要な事実について、証明をする責任を課します。

 

例えば、お金を貸した人が、金銭の請求をする場合には、貸した方(原告)には、①

金銭の交付があったこと、②返還約束があったことを証明する責任を課すのです。

 

そして、例えば、借用書や念書、銀行振込での貸付など、金銭を渡したこと(①)が証明できないと、お金を貸した人(原告)の主張する事実が認められないことになるんですね。

 

つまり、貸した人(原告)が、借りた人(被告)にお金を交付した事実が認められないので、金銭の返還請求も認められません。

 

なので、貸付の事実があったかどうか不明(真偽不明)ということで、貸した人(原告)が負けてしまうんですね。

 

このように、証明責任という制度で、裁判所は、真偽不明の事実があるときでも判決をくだせるようにしているんです。

 

この証明責任という言葉は、今後も出てくるので、イメージだけでも持って頂けるとうれしいです。

 

「裁判手続で知っておきたいこと」の過去記事はこちらへどうぞ。 

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公営住宅の使用権(賃借権)は相続できる?

今日も暑くなりそうな一日です。

 

私も、今日は、ご相談、打ち合わせ、訴訟、交渉など、仕事が連続して入れてしまったので、忙しい1日になりそうです。

 

さて、今回は「公営住宅を借りる権利相続できるのか?」という問題です。

 

都営・県営住宅や市営住宅(合わせて「公営住宅」と言います。)に住まわれている方もいると思います。

 

この場合、住宅を借りている権利は賃借権です。

 

賃借権は、原則として相続の対象となります

 

例えば、アパートを借りていた人が死亡した場合には、その配偶者や子供たちが、賃借権を相続して住み続けることができます。

 

ただ、内縁の妻相続はできないということは前回、お話しました。

 

とすると、公営住宅の場合にも、基本的には都道府県や市町村との間で、建物の賃貸借契約を結んでいるのですから、借りる権利(賃借権)は相続できそうです。

 

ところが、最高裁の判例これを否定します。

 

なぜかというと、公営住宅の場合、収入が少なくて民間のアパートに住めないような方を対象にしています。

 

ですから、入居者を決めるにあたっては政令・条例の定める選考基準に従って、判断していかなければなりません。

 

そして、入居者の収入が政令で定める基準を超えることになった場合には、入居年数に応じて、明け渡しを求めることになっています。

 

なので、親が低所得で公営住宅に居住できていたとしても、その子供については、別に収入状況を確認しないと居住を認める訳にはいかないんですね。

 

そして、その子供が高収入だった場合には、入居の条件を満たさないことになってしまい、出て行ってもらわなければならなくなってしまうんです。

 

その意味で、公営住宅の賃借権が当然に相続されるということにはならないんですね。

 

収入の低い人に幅広く公営住宅を供給するという目的のためにはやむを得ないのでしょう。

 

ただ、ガラガラに空いている公営住宅を時々見ることもありますので、条件に合った人ができるだけ入れるように積極的に広報活動をして欲しいとは思います。

 

相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

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梅雨明け

東海地方は梅雨明けしたそうです。


でも、今日の空を見る限りでは、曇り空で実感ありませんね。


せっかくですので、ブログの背景も、梅雨が明けた夏の風景にふさわしいヒマワリの丘にしてみました。


弁護士バッジはヒマワリをかたどったバッジで、ヒマワリバッジと言われます。


そのこととは別に、ヒマワリは個人的に好きな花です。


さて、ダイエットですが、何とか続いています。


今日は、ヒルズダイエットのゼリーにとうとう飽きてしまい、蕎麦屋へ行ってしまいました。


鷹匠にある「吉野」という蕎麦専門店で、山かけそばの二八を食べました。


量は少なかったですが、やはりゼリーとは違って、食事をした感じにはなりますね。


体重は、最大時の72kg→65.2kgまで落ちてきました。


ズボンのウエストも心なしか余裕が出てきています。


運動を最近サボり気味なので、筋肉はちょっと減っている気がします。


週末にはまた、少し走って、体力回復を図りたいと思っています。


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カテゴリー: ご報告や雑感 |

内縁の妻の相続権

昨日は、静岡市が全国で最高気温を記録したそうです。

 

確かに、日差しが尋常じゃなかったような気がします。

 

それでも、まだ梅雨明けではないようで、不安定な天気が続くようです。

 

皆様、お体には十分気をつけて、この時期を乗り切って下さい。

 

さて、「内縁の妻

 

民法の勉強をすると良く出てくる言葉です。

 

何となく「愛人」とか「浮気相手」とか思ってしまうかもしれません。

 

でも、実は、「内縁の妻」とは、実際には夫婦と同じ生活をしていながら、籍だけを入れていない男女関係のことを言います。

 

籍を入れない理由は、名字が変わるのが嫌だとか、縛られたくないとか、色々な理由があるとは思います。

 

では、内縁の妻って、相続できるのでしょうか。

 

結論から言うと相続できません

 

いくら、夫婦と同じように何十年も同居して、周りの人たちも夫婦だと思っていたとしても、籍を入れていないと相続はできないんですね。

 

相続という制度は、財産の持ち主が死亡した後に、財産を譲り受けるものなので、明確な基準で分けないといけません。

 

もし、内縁の妻が相続できるとなってしまうと、資産家の男性が亡くなったら、内縁の妻を名乗る女性が何人も出てくる可能性があります。

 

なので、内縁の妻には相続権は認められないんですね。

 

でも、それでは可愛そうな場合もあります。

 

例えば、夫と内縁の妻が借家に住んでいて、夫が亡くなったとします。

 

借家権は相続の対象になりますが、内縁の妻はこれを相続することができません。

 

そうすると、内縁の妻は家を出て行かなければなりません。

 

これでは、あまりに不当です。

 

そこで、最高裁は、夫の子供などの相続人が相続した借家権を、内縁の妻は援用(主張)して、住み続けることができるとしたんですね。

 

そして、法律でも借地借家法で、夫に相続人がいない場合には、内縁の妻が借家権を受け継ぐことができることと定めたんです。

 

個人的には、夫に相続人がいる場合でも、居住用建物について居住実績があれば、内縁の妻に借家権を承継させても良いと思います。

 

でも、相続人ではない内縁の妻を、相続人より優先して借家権を承継させることには、やはり抵抗があったようです。

 

内縁の妻については、以前も一度書いたことがありますが、解釈上、色々と問題になることが多いんですね。

 

相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

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多額の借金を理由に離婚できるの?

今日の静岡の最高気温は35℃の予想だそうです。

 

事務所の冷房は弱めにしてありますが、それでも外の気温とのギャップで大変そうです。

 

皆様も、体調を崩されないようお気を付けください。

 

さて、「夫又は妻の借金ぐせが直らなくて離婚したい」という要望も良く聞きます。

 

では、例えば夫の借金を理由に離婚したいという妻の要望はかなえられるでしょうか。

 

まず、借金理由です。

 

例えば、夫がリストラされて再就職もできず、収入が無いので、生活費のためにやむを得ず借金を重ねていたような場合には、離婚事由にはなりません

 

夫婦の生活を維持するために、夫が努力しつつも、やむを得ず借金をしていたような場合なので、婚姻生活はまだ破綻しているとは言えないんですね。

 

逆に、夫に収入もあるのに、風俗店ギャンブルのために借金を重ねて、その金額が膨大なものになってしまった場合には、離婚事由になる可能性があります。

 

サラ金の利息は高いですから、そういう所から借金を重ねると、月末や月初めには返済の催促の電話が鳴りやまないこともあるでしょう。

 

当然、そんな生活では妻のストレスも我慢の限度を超えていますから、夫婦げんかも絶えないでしょう。

 

そんな夫婦関係が続いて、妻から見て、円満な夫婦生活に戻ることはもうあり得ないという場合には、「婚姻を継続しがたい重大な事由」が認められると思います。

 

さて、いざ離婚というときに注意しなければならないのは、住宅ローンです。

 

夫の借金とはいえ、住宅ローンの場合には妻も連帯保証人になっていることも多いです。

 

妻の立場からすれば、「夫婦だから連帯保証人になったのだから、離婚すれば、そんなことは知らない!」と言いたいと思います。

 

 

でも、連帯保証という契約は、妻と金融機関との契約で、夫との契約ではないのですから、離婚しても全く影響は受けません

 

妻は、連帯保証人としての責任を引き続き負うことになります。

 

離婚に伴い、金融機関に、事情を説明して連帯保証人を外してもらえれば、一番良いとは思います。

 

でも、金融機関も、連帯保証人をはずすと、夫が返せない場合に借金の回収ができなくなってしまうこともあって、同意はほとんどしてくれません。

 

ですから、離婚の時に住宅ローンが残る場合には、

① 今、住宅を売却したら、ローンを全部返せるのか

② 返せない場合にはいくらくらい債務が残るのか

③ 住宅を売却をしたくない場合には、自分で住宅ローンの借り換えができる程の信用があるのか、親族などでローンの援助をしてくれる人がいるか

をしっかりと検討する必要があります。

 

特に、住宅を売却してもローンが残るような場合には、いざとなったときに自分にローン残額の請求が来ることを計算に入れておく必要があります。

 

逆に、夫としても、その住宅に誰が住むのか、今後ローンの支払いは継続していけるのか、妻の方で借り換えをしてもらえないかを十分に検討する必要があります。

 

残ローンが残るような場合には、夫が住宅に住んで、ローンをしっかり返していくのが最もシンプルではあります。

 

でも、現実には、妻の方が子供たちと住宅に残って住んでいるケースが多いので、後で住宅ローンの支払いが問題になってくるんですね。

 

離婚はできても、借金の問題が解決できなくて苦労するケースは多いので、住宅ローンについては十分に検討してください。

 

離婚の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

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性格の不一致で離婚できる?

今日は暑かったですね~

 

昼時に散歩に出たら、大陽の強さにたじたじとなりました。

 

余裕で30度は超えていたと思います。

 

熱中症対策もこれから考えていかなければなりませんね。

 

さて、今日も引き続き離婚事由のお話です。

 

性格の不一致

 

離婚調停の離婚したい理由として№1に上げられるものです。

 

では、これを理由に離婚できるのでしょうか。

 

夫婦の協議調停合意ができれば、離婚できます

 

でも、一方が「離婚したくない」と言っているような場合には、裁判で強制的に離婚を認めてもらうのは難しいです。

 

確かに、性格・相性の一致というのは、結婚生活において大切な要素です。

 

特に、妻の方が夫のことを「生理的に嫌い!」と思ってしまうと、一緒にいること自体が苦痛そのものになってしまうようです。

 

裁判では「婚姻を継続し難い重大な事由」というのが離婚事由として認められています。

 

ですから、妻の立場からすると「生理的に嫌い」というのは当然これに当たりそうに思えます。

 

ただ、「婚姻を継続し難い重大な事由」というのは、他に上げられている不貞行為悪意で棄てたこと・強度の精神病などと並ぶような客観的な事由が必要なんです。

 

主観的に「嫌い!」と思っているだけではこれにあたりません。

 

例えば、性格の不一致により別居に至って、これが長期間続いているような事情があれば、その別居期間とを合わせて婚姻関係が破綻しているとして、離婚が認められることもあるでしょう。

 

「嫌いになった」というだけで、一方的に離婚をするのは難しいので、話し合いをして、条件提示をしながら、協議離婚や調停離婚をすすめていくしかないんですね。

 

離婚の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

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弁護士の仕事と自動車

一昨日、高速道路で玉突きの事故があったとニュースでありました。


渋滞している自動車の列に、運転手が居眠りをしていたトラックがつっこんで、2名が亡くなられたとのことです。


亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。


高速道路の渋滞にトラックが突っ込むパターンの事故、昔からとても多いと思うのですが、中々なくならないですね。


自動的に衝突を防止する機能が、確か、スバルの新型レガシィについていた記憶がありあますが、トラックにもこういう機能を標準装備して欲しいものです。


弁護士の仕事をしていると、自動車はとっても良く使います。

 

ですから、交通事故のニュースを見る度に、「人ごとじゃないな」と気を引き締めます。


日頃、裁判所に行く時には、徒歩で15分くらいの距離なので、歩いたり、自転車で行ったりしています。


ただ、弁護士の仕事としては、市町村の法律相談や刑事事件で警察署に被疑者に接見に行かなければならないことがあります。


市町村役場がどこも駅の近くにあれば良いのですが、意外と駅から離れている場所も多いです。


また、警察署にいたっては、電車の駅どころか、バス停からも遠かったりして、自家用車がなければ、電車とタクシーを乗り継いでいかなければなりません。


こういう事情から、弁護士はどうしても自家用車での移動をせざるを得ないんですね。


自分で起こす交通事故には十分注意していても、居眠り運転なんかされてしまうと避けようがありません。


今後も、自動車事故にはあわないように注意するとともに、幸運を願いたいと思います。


 

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刑務所から愛をこめて ~ 犯罪は離婚事由?

静岡は、雨のち晴れだったので、昼間は大分蒸し暑い日でした。

 

今日は、珍しく浜松の裁判所に行きました。

 

浜松市は、静岡市と同じ県内ですが、浜松市が西の端にあって、東海道線に乗ると1時間以上かかってしまうので、大抵は新幹線をつかいます。

 

新幹線だと25分くらいで到着します。

 

浜松の裁判所は、JR浜松駅から徒歩15分くらいの距離にあり、結構歩きます。

 

帰りは蒸し暑さで汗をかきかき歩いてきました。

 

幸いなことに、新幹線は、すいていて、冷房もはいっていたので快適でした。

 

裁判の結果も良かったので、一安心しながら帰ってきました。

 

さて、今回から、離婚事由についてお話していきたいと思います。

 

離婚事由というのは、方が「離婚はしない!」と言い張っていても、裁判で強制的に離婚を認めてもらえる事情のことを言います。

 

条文上で具体的に定められているのは以下の4つです。

 

①一方配偶者の不貞行為浮気

 

②一方配偶者が、他方配偶者を悪意で捨てた場合~勝手に家を出て行って、生活費も送らない場合などです。

 

③一方配偶者の生死が3年以上明らかでない場合

 

④一方配偶者が治る見込の無い強度の精神病にかかってしまった場合

 

では、それ以外の場合には、裁判で離婚を強制することはできないのでしょうか?

 

実は、条文では、以上の他に「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」を離婚事由としてあげています。

 

たとえば、夫の妻に対する激しい暴力があるようなケースです。

 

この「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかを巡っては、色々な争いが考えられます。

 

では、例えば、夫が窃盗をした疑いで逮捕されてしまった場合にはどうでしょうか。

 

確かに、逮捕されると、警察からマスコミにも情報が流されますので、新聞やTVで報道されてしまい、家族の立場居もつらいものになる場合もあります。

 

でも、夫が逮捕されたというだけでは、「婚姻を継続し難い重大な事由」には直ちにはあたりません。

 

夫は、起訴されないで釈放されるかもしれませんし、罰金刑程度ですむかもしれません。

 

夫が、反省して「もう二度としない」と誓っていれば、婚姻の継続は不可能ではないと思います。

 

それでは、実刑判決をうけて、刑務所に服役してしまった場合はどうでしょうか。

 

夫は刑務所からも「離婚したくない」と妻にラブコールを送っていた場合にも、妻があいそを尽かして離婚することはできるのでしょうか?

 

これは、事件の種類や動機・情状にもよります。

 

例えば、強姦事件実刑判決を受けてしまった場合で、夫も事件をおこしたことは認めている場合には、離婚事由になると言えるでしょう。

 

強姦事件を起こした夫と、妻が今後、夫婦間で正常な性生活を営むことは難しそうですよね。

 

そうであれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」があったと言えるでしょう。

 

では、窃盗をおこして刑務所に服役した場合はどうでしょう?

 

窃盗で実刑判決を受けるというのは、盗んだ額がかなり大きいか、常習犯のケースが多いです。

 

仮に、窃盗でも、夫が同じ事件をこりずに何度も繰り返すと、妻は大変です。

 

妻は、最初のうちは、夫と一緒に被害者に謝りに行ったりしていたけれども、その回数が多すぎると妻も疲れてしまうこともあります。

 

妻としても、一度や二度であれば我慢できても、それ以上繰り返されると、夫の「もうしない。」という反省の言葉を信じられなくなるでしょう。

 

このような場合には、やはり夫婦間の信頼関係は破綻したとして「婚姻を継続しがたい重要な事由」があったと言っても良いかと思います。

 

いくら夫が刑務所から愛をこめて手紙を何通出しても、愛想をつかされてもしょうがない事情がある場合には、妻からの離婚請求が裁判で認められるということです。

 

刑事弁護をやっていると、服役している夫を何年も待つ妻に会うことも何回もあります。

 

犯罪をしてしまうことを除けば、夫として、父親として、問題の無い人だという考えのようです。

 

夫婦関係も本当に色々だと痛感します。

 

離婚の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

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