諸々の事情もあって、ある動物愛護センターで殺処分直前だったネコを引き取ることになりました。
姉ネコと弟ネコで、姉ネコが弟ネコを守るように寄り添っていたということで、引き離すのが忍びなくなり、2匹一緒にということになりました。
姉、弟といっても、同じ日に生まれたのだと思いますが、姉ネコがたくましくて、弟ネコを守るようにしていました。
現在、我が家では、大型犬(高齢のラブラドール)1匹、先住のネコ2匹(アメショー・洋ネコの雑種)、今回引き取ったネコ2匹(日本ネコの雑種)の合計5匹が居る犬・ネコカフェ状態です(笑)
新しいネコたちは、出生後の環境のため怖がりです。
モーツァルトを流して仕事をしようとしたら、音におびえて隠れてしまいました。
2匹とも引き取った当時は、栄養失調状態から回復中で、ネコエイズ・伝染性白血病などネコ特有の感染症の検査もできない(体重が少なすぎて)状態でした。
先住のネコとは、検査後に1~2週間ぐらいで対面できましたが、体は大きく、心が小っちゃい(笑)、家のラブラドールとは、何時対面させられるか・・・
さて、裁判というと、一般的には証人尋問のイメージが強いのではないでしょうか?
良くテレビドラマで「異議あり!」とかやっているやつです(実際には「異議!」とだけ言う弁護士の方が多いようです)。
本当の裁判でも、争点について折り合いがつかないと、その尋問手続をして、判決を下すことになります。
そして、尋問手続は、裁判官がそれまで出された書類の証拠だけでは判断ができないと考えた時に行います。
逆に、提出された書面としての証拠から裁判官が出した和解案に当事者が合意するなど、話し合いがつけば尋問までやらずに訴訟は終わります。
事件が重大だったり、皆さんが相手を許せないと思っているケースでは、なかなか和解案に合意できないことが多いでしょう。
例えば、縁起でもないですが、仮に皆さんが交通事故で大けがをして後遺症が残ってしまったケースでは、事故の内容や皆さんの精神的苦痛を直接裁判官に話していただくことになります。
つまり、訴訟を依頼した皆さんが法廷で話を聞かれることになるんですね。
これが「尋問」です。
尋問には「主尋問」と「反対尋問」があります。
例えば、被害者の立場の皆さんが、訴えを起こすよう弁護士に依頼することになるので、皆さんの立場は「原告」です。
この場合、相手である加害者(被告)側の代理人は、その加害者が加入している任意保険会社が依頼することが多いです。
私は、自分が仕事を通じて視野を広げたいという考えなので、被害者側も加害者側も、いずれからの依頼も受けたいとは思っています。
もっとも、結果的に被害者側の事件が多いと、その都度、大手の保険会社を敵に回してしまうので、その保険会社から仕事を依頼されることが無くなります。
それを続けているうちに、多くの保険会社を相手に訴訟しなければならなくなり、現在では保険会社からの依頼はごく少数です。
割合で言うと、保険会社からの依頼は1~2割、被害者個人の方からの依頼が8~9割となり、もっぱら被害者個人から仕事をお引き受けすることがほとんどになっています。
では、私が被害者側の代理人として尋問をする場合、皆さんはどんな立場に置かれるのでしょうか?
皆さんが被害者の場合、損害賠償請求をする訳ですから、その請求が出来ることを裁判官に分かってもらうために、こちらから積極的に証明をしていかなければなりません。
その証明方法の一つとして尋問手続を行うんですね。
その場合、被害者本人である皆さんの尋問は必ず行います。
仮に、大きな事故で事故時の記憶が皆さんから飛んでしまっていても、尋問には出てきていただくことになります。
なぜなら、慰謝料額を立証するためには、皆さんが事故後にどのような苦しみを味わい、今現在、どういう状態にあるのか裁判官に分かってもらう必要があるからです。
この場合、私が依頼いただいた皆さんに法廷で質問をすることを「主尋問」と言います。
つまり、証人のいわば味方側が、事前に打ち合わせをして、尋問を行うのが「主尋問」なんですね。
この「主尋問」では誘導尋問(弁護士が回答内容を示唆するような尋問)が禁止されています。
そのため、例えば、事前に打ち合わせしたことを本人が忘れて、仮に私が回答を示唆するような誘導質問をすると、相手代理人から「異議(あり)」と言われます。
そして、主尋問の内容を崩していくのが「反対尋問」です。
その結果、反対尋問は、主尋問を聞いてその内容に対して行うので、法廷のその場で考えることが多いのです。
弁護士としても、全て事前に準備するのは無理で、私も反対尋問には今でも苦労しています。
また、反対尋問では誘導尋問が許されているため、代理人の弁護士としては相当自由な質問ができるという面もあります。
この反対尋問のアンケートで、面白い結果が出ています。
「判例タイムズ」という法曹実務家の雑誌で、弁護士と裁判官に反対尋問について、アンケートをとったそうです。
弁護士にアンケートをとった場合、経験年数の多い弁護士ほど「反対尋問が成功している」と回答した人が多かったようです。
ところが、裁判官にアンケートをとったら、「ことごとく反対尋問は失敗している」という回答が多かったとのことです。
つまり、弁護士は反対尋問で「やりきった」と満足していても、裁判官から見ると、効果が無いどころか「失敗している」と見るケースも多いということです。
私自信は、「反対尋問で成功した」と確信を持ったことは一度もありません。
ただ、相手の反対尋問が「効果が無いのではないか?」と思うことはあります。他人のことだと客観的に分かるんですね。
反対尋問は、尋問で経験を重ねて技術が高い弁護士が、事件の争点について相手に穴があるという数少ないケースでない限り、効果的とはならないようです。
むしろ、私としては尋問の腕は主尋問に出やすいと感じています。
まだ、現役の弁護士なので、ブログで私の手の内をさらす訳にはいきませんが(弁護士が登録していないメールマガジンで、後ほどご配信したいと思っています)また、相手の主尋問を聞いていて「この主尋問は嫌だな」と思うことがあります。
端的に言うと、主尋問の上手い弁護士は、自分の主張の立証だけを頑張るのではなく、相手の戦略の予想が的確なのだと思います。
ですから、弁護士に依頼した場合、尋問の前に依頼者と十分な打ち合わせをしてくれなかったり、皆さんの感情的な主張だけを聞こうとする弁護士は要注意です。
やる気が無いか、尋問が下手な弁護士の可能性もあります。
実際の裁判では、法廷での尋問まで行く前に和解することも多いので、裁判を起こしたら、必ず尋問を行うという訳ではありません。
皆さんも、もし、尋問に出頭することになったら、依頼した弁護士と十分な準備と、相手弁護士から意地悪いことを聞かれる覚悟を持って法廷に行くようにしてくださいね。