弁護士に頼んだはずだったのに・・・

ポール・マッカートニーの日本公演が、体調不良で、1回も開かれないで終わってしまいましたね。

 

私も来日前から、「71才にもなるのに大丈夫かな?」と心配していました。

 

私にとってポールは音楽を好きになるきっかけをくれた大切な存在です。

 

小学校6年生の時に友人宅でイエスタデイのドーナッツ版(今で言うCDシングル)を聞かせてもらって衝撃を受けました。

 

そこからビートルズにはまりました。

 

親が気まぐれで買ったボロボロのガットギターを物置の中から引っ張り出して、見よう見まねでビートルズの優しいコードの曲を練習したのを今も覚えています。

 

私に「音楽」を聴いて、弾いて、楽しむことを教えてくれたポールは、恩人であり、勝手に「大好きな先輩」だと思っています。

 

日本公演が中止になった時にも、インタビューで文句を言う人は居なくて、体調を心配する人が多かったのも、私と同じような気持ちをポールに持っていたんでしょう。

 

命にかかわるような病気ではなかったと聞いて、ホッとしました。

 

さて、弁護士選びのチェックリストのお話です。

 

今回は、弁護士と事務員の関係が、ご相談やご依頼される方に及ぼす影響について考えてみたいと思います。

 

以前にチェックリストとして

・初めて相談の予約を入れる電話をかけた時に、弁護士事務所の事務員が自分の都合を全く聞いてくれなかったり、態度が横柄だった。

・法律相談の最中、弁護士だけでなく事務員が、最後まで同席していた。

 

このような場合には、問題がある可能性ありと書きました。

 

弁護士の仕事の中には、①誰でも出来る仕事と②弁護士で無ければできない仕事があります。

 

それを、弁護士と事務員がどのように分担するかというのは、個々の弁護士によって大きく異なり、それによってご依頼される方のニーズに合うかも違ってくるんですね。

 

まず、弁護士に仕事を依頼するということは、定期的に弁護士の事務所に電話連絡したり、弁護士との打合せのために事務所に行く約束をしなければなりません。

 

その時に、いつも皆さんの窓口になるのが弁護士事務所の事務員です。

 

ですから、事務員の反応が悪かったり、横柄だったりすると、連絡したり、訪問したりする度に嫌な気持ちになります。

 

ただでさえ、弁護士にご相談、ご依頼される時には、心に大きな心配事や怒りを抱えているでしょう。

 

そんなストレスの中で、更にストレスを受けることは、結構きついものです。

 

その意味で、依頼する前の事務員の対応がどうかは、とても大切なものとなります。

 

そして、更につっこんで考えてみると、弁護士の仕事は資格という看板があるので、時間単価が比較的高いです。

 

そこで、

依頼者の方の利益を無視して、弁護士が

「自分だけ儲ければ良い」

と考えた場合、給与の安い事務員を沢山雇って、本来、弁護士がやるべき仕事をさせるんですね。

 

究極的には、弁護士は依頼者をつかまえるまでの相談と法廷に出て行くだけで、後は全部事務員にやらせれば、最も儲かることになります。

 

そうすれば、弁護士の数に対して、通常は考えられない数の事件を引き受けて、少なくとも着手金は大量に儲けられるということになります。

 

この方法を使った場合に被害を被るのは、

まず、①依頼者、次に②裁判所、そして③相手方になった弁護士

という順番になります。

 

特に、依頼者の方が受ける被害は、とても大きいです。

 

初期段階では、「弁護士と連絡が取れない」という問題から始まります。

 

次に、担当事務員がつけられ、全て事務員が対応するという問題が生じます。

 

つまり、依頼者の方が法律の専門家に依頼したつもりが、素人に依頼したのと同じことになってくる訳です。

 

そして、依頼者の方には判断がつかないかもしれませんが、裁判所に提出する様々な書面を全て事務員が作成するケースも出てきます。

 

この場合、裁判官、書記官、相手弁護士が見れば、一目瞭然なのですが、普通の方は、書面を見てもその問題点が分からないと思います。

 

ですから、当然、訴訟では、本来主張すべき有利な事実や証拠を落として不利になったりします。

 

依頼者の方がそれを判断するには、「自分の依頼した仕事に事務員がどこまで関与しているか」を見るしか無いと思います。

 

誤解を恐れずに言えば、

最初の法律相談の時に、最初から最後まで事務員が同席していたり、

依頼した後に、直接、弁護士と全く話ができずに事務員だけが対応する

という事情があった場合には赤信号です。

 

確かに、弁護士という仕事は自由業で、事務所経営のためにはお金のことも考えなければなりません。

 

しかし、もともと弁護士の仕事は、いわば全ての事件が「オーダーメイド」なので、規格型の大量処理にはなじみません

 

例えば、皆さんに相続のトラブルが発生した場合、お隣の家で起きた相続のトラブルと同じ処理をすれば解決するのでしょうか。

 

遺産の内容や評価も違いますし、相続人同士の関係の濃淡・過去の歴史・感情的な対立の理由や内容も全く違うので、同じ処理では解決出来ませんよね。

 

ですから、弁護士の仕事の性質を無視して仕事を進めれば、良い結果が得られないのは当然なのです。

 

そのため、まともな事務所では、弁護士が自分の処理しきれる量の仕事を超えたと思ったら、新規のお引き受けはお断りするか、初回相談の日を数ヶ月先にしてもらうなどの対応をせざるを得ないのです。

 

皆様も、自分の人生を法律の素人に委ねたくなければ、十分なご注意をしていただければと思います。

 

「弁護士のお話」の過去ブログ記事についてはこちらをご参照ください。 

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カテゴリー: 弁護士の視点from静岡

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