会社の民事再生を成功させるハードルは高い?

新年後の連休もあけて、いよいよ2012年の仕事が始まりました。

 

年末年始で、少したるんでいた気持ちを引き締めてがんばっていきたいと思います。

 

さて、最近、会社の倒産関係についてご相談を受けたり、申立をしたりすることが多いです。

 

やはり、世の中、リーマンショックや円高の影響があるようです。

 

会社の経営が傾き始めた時に、やはり会社を建て直したいと思われる方も多いと思います。

 

そこで、民事再生できるのか、破産した方が良いのかをどのように見分けるかについて、考えてみたいと思います。

 

まず、どの債務が大きな負担になっているかを検討します。

 

銀行など金融機関からの債務だけが負担となっている場合には、取引先の債務はそのまま返済し続けて、金融機関だけと交渉する「私的整理」が向いています。

 

逆に、買掛金など取引先の債務についても大きな負担となって、支払遅延を起こしている場合には、一旦強制的支払の停止をする必要があります。

 

ですから、この場合には、法律が用意した民事再生破産という、裁判所通じた手続の方が向いていることになります。

 

次に、民事再生破産選別する基準です(中小企業を前提としているので、会社更生法は除いて考えます。)。

 

民事再生で、債務の額を減らして、それを収益から返済して会社を建て直す方法をとる場合には、会社の収益性が無ければなりません。

 

そして、民事再生を申し立てると通常は、融資をしてくれる金融機関はありません。

 

このため、自己資金だけで立て直せない場合には、スポンサーを探す必要が出てきます。

 

そうすると、民事再生を現実のものとするためには、自己資金かスポンサーの支援で、債務の返済さえ一旦ストップすれば、仕事を回していくことができる収益性のある会社である必要があります。

 

そして、スポンサーがつくには、会社のブランド、資産、将来性など、何か魅力が必要になります。

 

また、税金の滞納が多額の場合、民事再生では税金減額することはできませんから、再生後に税金を完済できるのか、課税庁に確認しておくことも必要でしょう。

 

そこで、民事再生後に仕事を回していけるだけの余裕が無い場合や、多額の税金の滞納がある場合には、破産手続に進まざるを得ないことになります。

 

民事再生を行うと、債権者債権額減額されてしまいますから、債権者から見れば納得できません。

 

経営陣の責任を追及したくなるのも当然でしょう。

 

また、中小企業だと、会社の代表取締役は、会社連帯保証人となっていることが多いため、会社の債務が減額されても代表取締役の連帯保証債務はそのまま請求されて、代表取締役破産しなければならないことがほとんどです。

 

そして、破産をすると取締役ではいられません。

 

ですから、民事再生になった場合には、現在の経営者代表取締役には退任してもらって、新しい代表取締役によって会社を建て直していくことが多いです。

 

旧経営陣の中で経営に詳しい人は、従業員として会社に残ることになります。

 

ですから、民事再生といっても、経営者、特に代表取締役には、会社は残して、自分は退くという気持ちも必要となってきます。

 

民事再生を進めていく前に、代表取締役の方は大きな決断をすることになるんですね。

 

借金問題ご解決方法についてはこちらをご参照ください。

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