上着がいらないほど暖かかったのが、急に寒くなりましたね。
インフルエンザも強力になりそうなうわさを聞いているので、皆さんもお気をつけください。
今回は破産のお話です。
破産したときに裁判所に出してもらう大切な裁判に「免責決定」があります。
これは借金などの債権の支払義務を消滅させる決定です。
ただ、あらゆる債権が消えるわけではありません。
消えない代表格として税金や国民健康保険料などの公の費用があります。
これらの支払いは、日本で国からサービスを受けていた以上、消えません。
滞納している税金の額が大きな時には税務署や市役所などで、分割払い(分納)の相談に行くことになります。
消えない債権は他にも色々ありますが、注意しなければならないものとして隠してしまった債権があります。
裁判所の破産の申立をするときには、お金を借りている銀行や消費者金融などの債権者を名簿として提出しなければなりません。
これを債権者一覧表と呼んでいます。
破産するときにはギリギリの状態ですから、妻・親・親戚・友人などから借入をしていることも珍しくありません。
こんなとき、破産手続に巻き込みたくないという理由で債権者として裁判所に提出を避けたい気持ちがあることは理解できます。
でも、お金を借りていれば、親子でも夫婦でも、銀行などと同じ債権者です。
破産手続ではしっかりと債権者として届け出る必要があります。
これを隠すと、その債権が免責決定で消えないだけでなく、免責決定そのものを出してもらえません。
破産はしたのに借金は残る……それでは意味がないですよね。
どうしても、家族を巻き込みたくなければ、債権者となっている親や妻にその債権を正式に放棄してもらう必要があります。
私の事務所でそれをやるときは、書面でしっかりと債権の額や貸付日などで特定した上で、放棄することを書いて署名捺印していただき、裁判所に提出して報告するようにしています。
そこで、裁判所が債権放棄を認めてくれれば、破産手続から外すことも問題ないことになります。
「迷惑をかけたくない」という気持ちは分かりますが、破産申立を頼んだ弁護士に、債権者を隠していると、せっかくの破産に意味がなくなることもあります。
なお、破産のときだけでなく、裁判のときにも、依頼した弁護士に隠し事をすると、後で取り返しがつかないことになるので、ご注意を。
※ このブログはリンクフリーです。お役に立つと思われたら共有していただければ。
借金問題ご解決方法についてはこちらをご参照ください。