前回、②履行不能(りこうふのう)について説明しました。
今回は、③不完全履行(ふかんぜんりこう)について説明したいと思います。
不完全履行の場合には、追完が可能かどうかによって分けて考えます。
追完というのは、契約などの目的物に欠陥がある場合に、契約後に完全なものと取り替えることを言います。
例えば、新車を購入したのに、エンジンが動かなくなったという場合に、別の新車を納入してもらうなどです。
まず、追完が可能な場合には、追完の請求ができます。
先ほどの例だと、新しい自動車を再度納入してもらうことです。
では、不完全履行で追完が不能な場合はどうでしょう?
例えば、皆さんが世界に5本しかないワインを購入したところ、運んでくる途中でそのうち2本が割れてしまった場合です。
同じワインを2本調達して追完するのは無理ですよね。
結局、一部が履行不能ということになります。
そこで、皆さんは履行不能と同様に、壊れたワインに代わる損害賠償請求をすることができます。
まだ代金を支払っていない場合には、その支払いを免れているのですから、その分は差し引いて損害を計算していくことになります。
「契約のお話」の過去ブログ記事についてはこちらをご参照ください。