今回は、父親の面会交流権のお話です。
例えば母親が「父親には会わせない!」と言って子供との面会を拒んでいる場合、強制する方法はあるんでしょうか?
養育費を支払わない場合には、給与や預金の差押えという強制執行ができますが、面会交流を実現しない場合には、なかなか強制的な実現は難しいです。
まず、家庭裁判所に面会交流調停の申立をして話し合うという方法があります。
調停で合意ができれば、それに応じた面会を実現していくことができます。
でも調停で合意したり、面会交流を命じる審判が出されたのに、相手がそれを守ろうとしない場合はどうでしょうか。
このような場合には、家庭裁判所に申出書を出して、「履行勧告(りこうかんこく)」を出してもらうという方法があります。
ただ、この履行勧告には強制力は無いので、相手が強硬に「会わせない!」という態度を変えないと、それ以上のことはできません。
また、再度調停を申し立てることもできますが、相手の態度が強硬だと、満足の得る結果は得られないと思われます。
そうすると、調停や審判を守らない場合に、何か強制的な方法で面会の実現はできないでしょうか?
子供との面会は、その子供を無理矢理連れてきて行うという方法を行うことは実務上行われていないようです。
この方法では、子供に物理的・心理的な負担が大きすぎるんですね。
また、面会後には子供を帰さなければならないことを考えると、相手(主として母親)の意思による方が良いからです。
そこで、「間接強制(かんせつきょうせい)」と言って、面会交流させない回数ごとに金銭の支払いを命じる方法をとるしかありません。
例えば、「1回の面会拒否ごとに5万円を支払え」という命令を出してもらう方法です。
このプレッシャーにより、相手がやむを得ず面会を認めるということを狙うわけです。
ただ、調停条項の内容や審判の内容によっては、間接強制を認めない審判例もあるので、必ず認められるというものではありません。
やはり、面会交流は、養育費ほど確実に実現はできないというのが現状なんですね。
離婚の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。
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