突然ですが、エラリークイーンという名前を聞いたことがある方もいると思います。
1930年~1970年頃に活躍した推理小説作家(二人の共同のペンネーム)で、「Xの悲劇」「Yの悲劇」「オランダ靴の謎」あたりが有名でしょうか。
この作家は、本の最後の方で「読者への挑戦状」を、例えば次のようにすることがありました。
「今までのストーリーで犯人を見つけるのに必要な情報はすべて読者の皆さんに伝えてあります。」
「探偵に負けないよう犯人を発見して下さい。」
「これは読者への挑戦状です。」
例えば、犯人は、昔からひそかに憎んでいた兄に、どうしても父親の事業を継がせたくなくて、殺害してしまったとしましょう。
皆さんは、犯人を見事発見、警察に引き渡しました。
犯人は
「自分が刑務所から出てくる頃には、父親も亡くなっているだろうが、父親の莫大な遺産でゆっくり暮らすよ」
と言いながら部屋を出て行きました。
犯人は、本当に父親の財産を相続できるか考えてみて下さい。
「読者への挑戦状」です(笑)。
実は、犯人は全く相続することができないんです。
民法では、「故意に(わざと)、被相続人や先順位・同順位の相続人を殺害したり、殺害しようとして、刑罰を受けた者は相続権を失う」と定められています。
例えば、父親の遺産を(できるだけ多く)相続しようとして、父親を殺したり、兄弟を殺したりした人には、全く相続権が無いことになるんですね。
これを相続欠格(そうぞくけっかく)と言います。
推理小説を読んでいると、時々、この相続欠格を見落としているものがあったりします。
こんなところも見ながら、推理小説を読んでみるとおもしろいかもしれませんね。
相続欠格になる事由は、他にもあります。
これはまた次回に。
相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。
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