今日は休日ということで、早朝のジョギングをしてきました。
途中で信号機のない横断歩道で待っていると、3台も親切な自動車に止まってもらえて、何となく穏やかな気持ちになれました。
もっとも、このブログは私の仕事の性質から、相変わらず紛争のお話です・・・
さて、今回は皆さんご存じの「コメダ珈琲店」をマネして店を始めたところ、㈱コメダからストップがかかった事案です。
昨年の約3ヵ月ほど前の事案で、ニュースでも報道されたので、記憶にある方もいるのではないでしょうか?
事件は和歌山県でおきました。
和歌山県の中小企業が、前回ご説明したとおり、㈱コメダのフランチャイズ店になりたいと申し出ました。
この会社を仮に「A社」とします。
㈱コメダとしては、既に和歌山県下で他者がフランチャイズを受けていたため(こういう立場を「フランチャイジー」といいます)、断りました。
するとA社はコメダ珈琲店の店舗にそっくりのお店を建築して営業を始めました。
もちろん、店の名前まで同じにはできませんので、全く違う名前を表示していました。
コメダ珈琲店って、外観が屋根が山小屋みたいになっていて、レンガの壁と出窓が特徴的ですよね。
私も自動車で走っていて一発で、「あっ!ここにもコメダ珈琲があったんだ。」と外観と看板で見つけることがよくあります。
このA社が経営する喫茶店は、電車や自動車で30分程度の距離にコメダ珈琲店がある場所で経営を開始しました。
このソックリさはネットでも話題になりました。
これに㈱コメダがストップをかけました。
このA社だけであれば㈱コメダの被害は少ないでしょうが、これを許すと他の地方の中小企業も同じ事をやり始めてフランチャイズの意味がなくなってしまいます。
そこで、不正競争防止法という法律を根拠に、A社に対してソックリでの店舗経営の停止を求める仮処分の申立をしました。
「仮処分(かりしょぶん)」というのは、訴訟をやっていては時間がかかってしまい、回復できない被害が出る危険がある場合に、裁判所に緊急で仮の決定を出してもらう手続です。
ここで争いになった点はいくつかありましたが、主な点は
① コメダ珈琲店の店舗の外装と内装が、不正競争防止法に定める「商品等表示」に該当するか。
② この店舗外観が、不正競争防止法に定める「需要者の間に広く認識されている」(周知性がある)表示といえるか?
です。
次回、①と②に分けて、詳しくご説明していきたいと思います。