クリスマスも終わってしまいましたね。
町の風景も大分変りました。
さて、黙秘権(もくひけん)という権利の名前を聞いたことのある方は多いと思います。
憲法(けんぽう)では「何人も自己に不利益な供述は強要されない。」と定めて、黙秘権を保障しています。
刑事訴訟法(けいじそしょうほう)という法律でもほぼ同じ保障があります。
では、被疑者(警察などから捜査をうけている人)や被告人(検索官から起訴された人)はどうして、黙秘つまり黙っていても良いのでしょうか?
例えば、仮に皆さんが路上で窃盗(せっとう~ドロボウのことです。)をしたとの疑いをかけられたとします。
その路上窃盗が起きた日の同じ時間、皆さんはとある女性(男性)と浮気をしていたとしましょう。
一応、皆さんは結婚していて妻(夫)があって、家庭もとても大事、相手の女性(男性)にも絶対に迷惑をかけたくないというケースだとしてください。
さて、この場合、皆さんは、そのアリバイを堂々と主張できるでしょうか?
少なくとも、最初は黙っていて、言わないと思います。
良く、「黙っていて話さないのは、後ろめたいところがあるからだ。」という意見を聞きますが、その後ろめたいことは、必ずしも疑われている犯罪についての事とは限りません。
また、何らかの考えや信条によるものかもしれません。
それを、「黙っている理由を話しなさい。」としてしまうと、さっきの例だと「浮気していることを知られたくないから。」と説明しなければならなくなります。
これでは、説明する意味がありませんよね。
結局、黙っているしかなくなってしまいます。
実際には、被疑者や被告人が、犯罪についての後ろめたいことを黙っているケースもありますが、万が一判断を誤ると刑事事件では大変な被害を与えてしまいます。
そこで、憲法や刑事訴訟法では、
① 何の理由も言わずに黙っている権利
② 黙っていることを不利に推測してはいけないというルール
が黙秘権という形で認められているのです。
ですから、黙っていることを理由に、有罪とすることはもちろん、量刑(刑の重さ)を重くすることもいけないんですね。
刑事弁護についての基礎知識についてはこちらをご参照ください。
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