裁判所の待合室での詐欺

先日、TVの全国番組のコーナーで、東京からの移住先として静岡が人気だと言っていました。

 

その理由として、東京まで新幹線で1時間という利便性、温暖な気候(「日本のフロリダ」だそうです。)、食べ物が美味しい、人柄が穏やか、などがあげられていました。

 

住民としては、いずれも当てはまると実感していますが、「恵まれすぎていて闘争心が起きないので、偉人が少ない!」と言われることも・・・

 

さて、先日、静岡地方裁判所の待合室貼り紙がありました。

 

「裁判所の待合室で現金を受け渡す詐欺にご注意ください。」

 

ビックリして、裁判所の方に雑談のときに聞いてみたところ、裁判所の待合室で、そのような事案があったので注意喚起しているとのことです。

 

今まで、弁護士や法律事務所の職員をかたって現金を受け取る詐欺は数多く見てきましたが、裁判所を使うというのは大胆な方法です。

 

待合室には、期日を待っている弁護士がいたり、いつ入ってくるか分からないからです。

 

では、私が裁判所の待合室で待っているときに、隣で数百万円の札束の受け渡しをしていたら、不審に思って裁判所職員に伝えるでしょうか?

 

一定の条件を充たしていれば(内容は詐欺を助長しないために伏せますが)、不審にすら思わないと思います。

 

なぜなら、裁判所で和解をするときに、現金の受け渡しをすることは珍しくなく、それを待合室で数えたり、渡したりすることも十分あり得るからです。

 

私の経験でも、500万円くらいまでなら、裁判所の和解期日で裁判官の前で受け渡しをしたことは何度もあります。

 

例えば、和解で支払義務を負う被告が安定した職を持たないとか、零細自営業などの場合、和解で約束しても実際に振り込まれないリスクはあります。

 

そのような場合には、裁判の期日で現金を受け渡して、和解調書に「原告は、被告から本日300万円を受領した」と書いてもらって領収書代わりにするのですね。

 

500万円くらいになると数えるのが大変で、慣れていない私が苦労していたら、裁判官と書記官が分担して数えてくれたこともありました。

 

そのため、待合室で、裁判の和解の期日前に、確認のために数百万円のお金を渡して数えたりすることもありうるのです。

 

そのような盲点を突いた詐欺が行われているということです。

 

「弁護士、法律事務所職員をかたって現金を受け取った」という記事を見る度に、私が気分が悪くなるのですから、裁判所も相当警戒しているでしょう。

 

私も、これまでだったら「和解の準備かな」とスルーしていたことですが、この貼り紙を見てから「待合室での現金の受け渡しを見たら注意して見ていこう」と思い直した次第です。

 

皆さんも、万が一、「裁判所の待合室に呼び出されている」という話を聞いたら、まずはそこの裁判所に電話をして確認していただくことをお勧めします。

 

※ 詐欺の被害を防ぐためにお役に立つと思われた方は、リンクを共有していただければ。

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カテゴリー: 消費者の被害

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