駿河湾のサクラエビには春漁と秋漁があります。
今が秋漁の旬ですから、通常なら静岡県内の自宅やお店の食卓を賑わしている頃です。
ところが、このサクラエビ、この2年ほど記録的な不漁が続いています。
サクラエビは、日本国内では、静岡市清水区由比沖と焼津市から御前辺りの沖でしか獲れません。
資源管理の観点から、静岡県桜えび漁業組合で自主規制をしていて、今日、2020(令和2)年11月1日から12月23日までが漁の解禁期間となりました。
この規制は自主規制ですが、漁については法律上の様々な規制がされていて、刑事罰も定められています。
海に面していて、川も多い静岡県内で魚介類をとるときは、うっかりと密漁にならないか気をつけなければいけません。
密漁が犯罪になるケースは多いです。
私(谷川)が静岡県漁連の役員を担当している関係で、漁師さんとお話をする機会があります。
その中で、例えば、ウニやアワビなどが伊豆、静岡県中部などで獲れますが、これを旅行客や遊びに行った人が獲っていって困る、という話を聞くこともあります。
ウニやアワビのように漁業権の対象として保護されている水産物を勝手に獲ることはできません。
もし獲った場合には漁業権の侵害として 、被害者からの告訴があれば20万円以下の罰金となります(漁業法143条)。
また、漁業調整規則でも都道府県ごとに決まりがあり、サザエ、アワビ、伊勢エビなどの無断捕獲が禁じられています。
釣りをしていて、例えば伊勢エビがかかってしまった時には獲りたい誘惑にかられるかもしれませんね。その気持ちは分からないでもありません。
でも、この密漁、悪質な場合には、この罰則で実刑になることもあるので注意が必要です。
密漁について刑事弁護を担当したという話を他の弁護士から聞くこともあるので、静岡では良くある犯罪なのかもしれません。
漁業が盛んな都道府県でこそルールを守って釣りや漁をしたいものですね。
刑事弁護についての基礎知識についてはこちらをご参照ください。