雨で湿度が高かったり、暑かったりする日が続きますね。
気温が極端に上がったりして、体調を崩しやすいので十分お気をつけ下さい。
前回、相続が始まったら、他の相続人が反対しても預金の一部を払い戻しできるとのお話をしました。
とはいえ、それぞれの相続人に預金の払い戻しを自由にさせてしまうと、いつの間にか預金がなくなってしまう危険もあります。
それでは、遺産を分ける話し合いのときに、預金がなくなってしまって、上手く分けられなくなってしまいます。
そこで、各相続人が単独で払い戻しできる金額には上限を設けています。
その上限は以下のとおり計算します。
① 各預貯金額の3分の1に各相続人の法定相続分をかけた金額
② 同一の金融機関において150万円以下であること
具体例で見てみましょう。
父親が死亡して、相続人は長男と二男の2人だとします。
遺産としての預金が1200万円あり、二男が大学の学費のために緊急でお金が必要だったとします。
そこで①を基準に計算すると、次のとおりとなります。
1200万円×1/3×1/2(法定相続分)=200万円
でも、この預金が一つの金融機関、例えば三井住友銀行だけにあった場合には、同一の金融機関の上限150万円を超えてしまいます。
そこで、この場合には
② 上限の150万円までに限って、二男は単独で(長男の反対があっても)払い戻しを請求することができることになります。
実際に、払い戻しを請求するときには、自分が相続人であること、その法定相続分が何分の1かを金融機関に証明する必要があります。
払戻を請求するにあたっては、少なくとも相続人であることを証明する戸籍事項証明書や、運転免許証などの本人確認資料の提出は求められそうです。
静岡県内の地方銀行でも、手続が厳しいところと優しいところとの差が大きいので(信用金庫は比較的融通をきかせてくれる印象がありますが)、どこでもきっと金融機関によって求める書類は異なりそうです。
行かれる方は、事前に金融機関に電話して確認した方が二度手間にならずに良いかと思います。
相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。