先日、5月26日の土曜日に、御前崎港のかつお祭りに行ってきました。
御前崎付近には御前崎港や地頭方港など、美味しい魚が水揚げされるので、イベントもにぎやかでした。
大漁旗が盛大に吊されている中に、鰹1尾ごと売っていて、頭をおとしてくれる場所もありました。
さすがに1尾を買っては食べきれないので、切り身を買っていただきました。
厚みがあるのに、歯ごたえは柔らかくてとても美味しかったです。
さて、今回は相続のお話です。
最近では、公正証書で遺言を作る方も増えてきています。
民法は、自分の財産は自分の意思で自由に管理したり処分したりできるという原則(私的自治の原則)を採用しています。
ですから、遺言で自分が亡くなった後の財産の処分を定めれば、民法が定めている法定相続分に優先します。
そして、遺言とともに知識も広まっているのが遺留分。
遺言をもってしても奪えない相続人の取り分です。
これは、
配偶者や子供の場合には本来の法定相続分の2分の1で、
親や祖父母が相続人のときには、本来の法定相続分の3分の1
となります。
例えば、妻Bと2人の子供C、Dがいる男性Aが、妻Bに全て渡すという遺言を書いたとします。
夫 妻
A=======B
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--------
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C---E D
|
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F
その場合、子供C、Dの遺留分は本来の法定相続分である4分の1の半分の8分の1ずつということになります。
さて、このとき妻Bと子CはAと一緒に暮らしていて、Dとの関係は余り良くなかったとしましょう。
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この場合、夫であり父であるAの財産が多額だったり、不動産が主だったりすると、Dに遺留分にあたる8分の1を金銭で分けることが難しいかもしれません。
そこで、Bがとるべき戦略として使われるのが養子縁組です。
養子縁組とは、市役所などに養親になる人と養子になる人が署名をして養子縁組届を出すことで成立します。
この養子縁組で出来た親子関係を「法定血族」と呼んで、実際の血の繋がった自然血族の子と全く同じように相続でも扱われます。
事例で考えてみましょう。
例えば、Cが結婚していて妻Eと子供Fがいたとしましす。
ここで、BがEとFとを自分の養子にするという対策をここでは取ることになります。
これにより、Dの遺留分を削れるわけです。
子供の遺留分は簡単な式にすると
遺産の額×1/2÷子供の数×1/2
となります。
そのため、子供の数が増えると自動的に他の子の遺留分が減る関係になるのです。
今回の事例でも、EとFが養子縁組をしていないときには、子供の数は2人でしたからDの遺留分は8分の1でした。
ここに、EとFという養子が2人増えたことで、Dの遺留分は
1/2÷4×1/2=1/16
つまり16分の1となります。
遺産が多額な場合、渡したくない遺留分を半分に減らせるということは大きな魅力です。
もっとも、Dからしてみたら、自分の遺留分を削るためだけの養子縁組だとすれば文句を言いたいことでしょう。
実際、養子縁組は遺留分を減らすためだけにしたのでは無効で、実質的な親子関係を築く意思が養親と養子の両方になければいけません。
もっとも、遺留分を減らすためだったのか?それとも、本当に親子関係を築くつもりだったのか?は意思の問題のため証明が簡単ではありません。
裁判になったときには、例えば
縁組した相手が身内か全く知らない人か?
縁組が死亡直前ではなかったか?
縁組のときに養親(事例ではA)の判断能力に問題はなかったか?
養子縁組をした人数が多すぎないか?
など客観的な事情から判断していくことになるでしょう。
なお、これは相続する権利のお話で、相続税の節税と考えたときには、また別の制約がありますので、そのあたりは税理士にご相談ください。
いずれにせよ余り露骨な相続対策をしてしまうと、法律でも認められないということですね。
相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。