寒くて乾燥する日々が続いていますね。
皆さんも、風邪などひかないように体をご自愛ください。
さて、不倫、法律用語で「不貞行為」が裁判で認められるにはどのような事実が必要でしょうか?
有名人で、一緒にホテルの部屋で一晩過ごしても「打合せしていただけ」というような説明がなされることがありますよね。
裁判では、このような反論は認められるのでしょうか?
ひとまず、裁判では不貞を被告側が争う場合には、ありとあらゆる主張をしていきます。
ですから、先ほどのような反論も珍しくありません。
というか、もっと凄い反論がされます。
例えば、妻が夫に「好きな人ができた」と言って自宅を出て行って、男性が住む家に自分用の部屋を作って同居しました。
当然、その男性と不貞行為があったと、夫はその男性に慰謝料請求をしますよね。
その裁判の被告の反論で、
妻が「好きな人」というのはその男性ではない
その男性は、妻と同居していたのではなく、一部屋を間借りさせただけ
という主張がありました。
日常生活ではなかなか無いやりとりだと思いますが、裁判では当然のようにこのような主張・反論が繰り返されます。
この事案では、裁判所はさすがに不貞行為の存在を認めました。
不貞が疑われているとき、男女が同じ部屋や同じ建物に2人だけで宿泊すれば基本的には不貞の推定は働くようです。
では、宿泊までいかない場合はどうでしょう?
夫が単身赴任で社宅に住むことになりました。
妻が、夫の高校の同級生の女性とメールが頻繁に行われていたので不審に思って調べたところ、夫の社宅で一緒に鍋料理を食べていたことが分かりました。
妻からすれば、単身赴任先の社宅で女性と2人で鍋料理を食べていれば、不倫があったと思うのが普通でしょう。
しかし、この裁判では不貞は認められませんでした。
高校の同級生だったことや、年齢が二人とも50才代だったこと、それ以外に具体的な証拠がないことなどが理由でしょう。
このとき、鍋料理を食べただけでなく、夫の社宅に一晩宿泊していれば、不貞が認められたと思います。
もっとも、いくら仲の良い男女の友人関係でも、結婚したら1対1で一方の部屋で料理など食べない方が良いことは確かでしょう。
疑いを晴らす手段がないので、いつまでの夫婦の溝になりかねませんので。
宿泊までいかなくても、良く不貞が認められるのはメールやLINEの内容からです。
ただ、連絡を取り合っていただけでは駄目ですが、メールやLINEの内容が普通の人が見れば、性交渉がなければ書かない内容ってありますよね。
裁判所が不貞行為を認定したメールやLINE内容としては、
「お休みchu」⇔「愛している」などのやりとり
「愛を受け止めて」⇔「奪いに行く」などのやりとり
「また、襲われちゃうかも?」⇔「襲いに行くよ。愛してるし」などのやりとり
などがあります(家庭の法と裁判(日本加除出版株式会社)・2017年10月号・大塚正之弁護士の引用判例を一部参照)。
裁判例を色々と見ていくと、週刊誌もビックリの下ネタ的な証拠も沢山ありますが、ここは一応上品なものだけを。
裁判官は「事実を確定して、そこから推測する」という思考方法をとります。
そのため、不貞にダイレクトにつながる事実を証明できる証拠が強いのです。
元同級生の男女が、男の部屋で鍋とつついていた(宿泊なし)という事実からは、ただの友達という可能性も否定できません。
でも、「お休みchu」「愛を受け止めて」「襲われちゃう」というメールやLINEのやりとりがなされていたらどうでしょう?
仮に、皆さんが性交渉のない相手に、そのような内容のメールを送信したとしましょう(そんなこと自体普通しませんが)。
その場合、相手からその内容を当然とした返信があるでしょうか?
仮に、相手が好意を持っていたとしても、一旦は慎重な返答が返ってくるのではないでしょうか?
ということで、LINEやメールは、その内容と相手からの返信で、関係の深さが証明しやすい証拠なのです。
不貞行為で訴訟を起こす前に、夫(妻)のスマホをチェックというのはもはや常識になっているかもしれません。
しかし、最新のiPhoneⅩのように顔認証ということになると、寝ている間にこっそり指で押させて指紋認証クリアという方法も難しくなっていきそうです。
怪しいと思っているときにスマホを顔認証に変えたらいよいよ後をつけるしかないかもしれません。
逆に、スマホを顔認証のモデルに変えるタイミングに注意しないと無用な疑いを夫(妻)にかけられてしまうかもしれませんので御注意を。
「不倫と慰謝料」の過去ブログ記事についてはこちらをご参照ください。