弁護士の負けず嫌い

台風は予報と違って静岡には大きな被害はもたらしませんでしたね。

 

被害にあわれた地域の方々は大変でした。

 

今日は台風一過の好天になっています。

 

さて、弁護士の仕事が勝負の世界なのはご存じだと思います。

 

そのため、弁護士には負けず嫌いの人が多いようです。

 

その現れ方は弁護士によっても違います。

 

正しい現れ方は、自分の勝ち負けではなく、依頼者のためになる勝ち負けを気にする「負けず嫌い」でしょう。

 

時折、依頼者が

「もう争いに疲れましたから、この金額で和解して終わってもいいです」

と言っているのに、弁護士がこんな所で妥協すべきではないと言って依頼者の希望を無視するケースがあります。

 

確かに、弁護士が依頼者の気持ちを無視してはいけません。

 

ただ、事案によっては、依頼者に逆方向のアドバイスをして、一旦考えていただく必要があることもあります。

 

つまり、弁護士から依頼者に対して、法律的な問題点、判例の考え方、裁判所の判決予測などをできる限り分かりやすくご説明して、再検討してもらうということです。

 

逆に、依頼者そっちのけで意地を張るような弁護士は論外ですね。

 

例えば、どうしても事件で負けるのが嫌いとか、相手の弁護士や当事者と喧嘩して弁護士が感情的になっているような場合も、実際には非常に少ないですがあり得ることです。

 

つまり、弁護士はある程度は負けず嫌いでなければいけませんが、それは主観的なものではなく、「法律の専門家として依頼者をどれだけ助けているか?」という観点からでないと困るのです。

 

その観点から言うと、依頼者が「もう紛争を終えたい」と言った時に、過去の経験や判決予測から妥当な落としどころの範囲内であれば、依頼者の納得を得るように努力するのが良い弁護士でしょう。

 

これに対して、どう考えてもここで和解するよりも判決(場合によっては控訴)の方が有利だという場合には、依頼者にその説明を詳しくして再度、判断を仰ぐことが必要だと思います。

 

負けても平気な弁護士は問題がありますし、負けず嫌いでも
「誰のために戦っているか?」
を忘れた弁護士は法律の専門家ではありません。

 

私が新人弁護士のときは、まずこの感覚をつかむようになるまで2~3年修行が必要だったので、ここも特殊な職業だと思うところです。

 

 

「弁護士のお話」の過去ブログ記事についてはこちらをご参照ください。

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カテゴリー: 弁護士の視点from静岡

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