お盆玉という言葉はもう一般用語なんでしょうか?
私は、最近初めて知りました。
お正月の「お年玉」だけでなく、お盆に帰省する孫などにお金をあげる「お盆玉」の習慣が根付き始めているとのことです。
お年玉と同じような袋も種類が増えてきているとのこと。
少子高齢化で、高齢者の預貯金が消費に動かないことが問題視されていることを考えると、孫にお盆玉をあげることは、景気回復の助けになる良いことなのかもしれませんね。
さて、高齢化となると当然、相続の心配をすることも増えてきているでしょう。
相続する人たちが全て顔も性格も把握できる範囲であれば、すぐに処理できるのでしょう。
もっとも、最近では、親族間の距離が心理的に遠いケースが多く成ってきているようです。
遺産を分けようとする時に、その前提として決めておかなければならないことが幾つかあるのですが、その一つが「誰が相続人か?」ということです。
詳しい方なら、法律で決まってるからそんなに問題にならないのでは?
と疑問に思われたかもしれません。
しかし、実務では時折問題となります。
つまり、
「この人は相続人ではない!」
と異議が出ることがあるのです。
その最も大きな原因は、昔の戸籍の作成がいいかげんだったことです。
兄弟姉妹や甥姪が相続する場合、他に誰が相続人が調査することがあります。
すると、驚きの真実を聞かされることがあります。
「この子は、兄弟姉妹として戸籍に書かれているけど、実の子ではなくて赤の他人だった」
というものです。
第二次大戦の前後に親が他人の子を実の子として届け出ていたというのです。
ところが、他人の子といえども戸籍に書かれている以上、実務では実子として扱われます。
究極的には、伯父や伯母と甥姪とのDNA型の鑑定までしないとある程度の証拠が出ないのですね。
それ以外にも、民法は養子縁組をするときに、「自分(養親)より年上の人を養子にできない」と定めています。
ところが、今と違って昔の戸籍は手書きで、個別に戸籍担当者が判断していたので、間違って年長者が養子となっているケースもあったりします。
そうすると、その人の養子縁組を裁判で取り消すことができます。
このように、他人が実子として戸籍に書かれていたり、年長者が養子として戸籍に書かれていたりするなど、昔の戸籍にはミスが多いです。
そのため、相続紛争を扱うことが多い弁護士は、古い戸籍は疑って見ていきます。
その結果、「この人は相続人ではない」との紛争が起きる場合には、そもそも遺産を分ける人が誰かがまだ決まっていないということになります。
そのため、相続人かどうかについて争いがある間は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てても認められません。
まずは、相続人が誰かを裁判で結論を出してから遺産分割をしなければいけないのです。
古い戸籍を弁護士が調べたら、依頼者の方が一番ビックリすることもあったりするのですね。
相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。