12月も中旬になり、もうすぐ1年で一番昼が短い日(冬至)がきますね。
2016年の冬至は12月21日、つまり今度の水曜日とのことです。
私は、昼が長い方が何となく得したような気になるので、早く冬至を過ぎて欲しいという気持ちです。
さて、法律相談で録音のことを質問されることが時々あります。
内容としては、
① 相手と交渉をする時にこっそり録音しても良いか?
② 内容を忘れてしまうので、この法律相談を録音して良いか?
③ これから調停を自分でやる予定だが、調停手続を録音して良いか?
などが良く受ける質問です。
まず、①はやり方が違法でなければOKです。
つまり、喫茶店やお互いの家などで話をする際にスマートフォンやICレコーダーでこっそり会話を録音して、後でウソをつかれた時の証拠にすることは可能です。
ただ、録音の方法が違法な場合、例えば相手の家にこっそりと盗聴器をつけて録音するなどして証拠をとっても、これは通常は裁判では証拠として使えません。
それだけでなく、住居侵入罪などで逮捕されてしまう危険性すらありますので、絶対にやらないようにしてください。
次に②について特に決まりは無いので、弁護士によって対応は違うかもしれませんが、私はお断りしています。
おそらく多数派は録音NGだと思います。
もちろん、相談する方が、「回答内容を正確にメモする自信が無い」など理由は理解できる場合はあります。
しかし、
・録音されたデータが編集されて私の意図しない内容に変えられる危険性
・録音した方のうっかりミスなどで、私の音声がネット等に公開される危険性
を考えると、どうしても了解することはできないんですね。
法律相談の録音を希望する場合には、相談される方は、必ず相談場所の管理者(例えば市町村役場の担当者など)と担当弁護士に録音して良いかを確認してください。
その両方が承諾するのであれば、録音は適法です(ほとんどの場合は承諾してはもらえないと思われますが)。
最後に③については絶対にダメです。
調停手続や裁判での弁論準備手続は非公開がそれぞれの法律で定められています。
そして、スマートホンやICレコーダーで録音したものを部屋から持ち出すこと自体が非公開の規定に違反します。
調停手続や裁判での弁論準備手続は、揚げ足取りをお互いにしないことを前提に自由な意見交換をして、紛争を解決しようとする目的で行われます。
紛争の内容は当事者の記憶違いや感情の変化で常に変わっていきますので、一旦言ったことを撤回できないということになると、何も言えなくなってしまいます。
そのため、調停手続や裁判の弁論準備手続においては、ある程度自由に意見交換をしてもらい、口頭で言ったことについて一々責任を問わないことが前提となっているのです。
その手続があってこそ、紛争を早く、妥当に解決できるのでしょう。
そして、もし、相手が口頭で言ったことについて責任を持って欲しい時には、相手にその真意を確認した上で、裁判所の調停委員や裁判官に調書に取ってもらうように求めることになります。
裁判手続に関係する録音は非常にデリケートな問題を含んでいるので、しっかりと弁護士に相談してから行動することをお勧めします。