少し涼しくなってきましたね。
まだ、秋とまでは言えませんが、今年の異常な夏の暑さが無くなってきたのはありがたいところです。
何とか、仕事を頑張って、シルバーウィークには少しは休めるようになりたいと思っています。
さて、消費者被害の一つとして訪問販売による被害というのは、昔から無くなりません。
その中でも、最近で被害額が多いのが、投資など金融商品に関する詐欺と住宅に関する詐欺でしょう。
いずれも高齢者狙いの傾向が強いのですが、住宅に関する詐欺の傾向は、「突然訪問して、その場で危機感をあおって契約させてしまう」という形が多いんですね。
「床下換気扇」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ある日、突然、いかにも真面目そうな笑顔で、
「無料で、ご自宅の点検を行っております。よろしかったら点検だけでもいかがでしょうか。」
などと玄関先で言ってきます。
そして、無料ならと点検だけでもしてもらうと
「床下が湿気でカビだらけになっています。このままだとカビがどんどん増えて、家にもよくないし、家中が発がん性のある黒カビの胞子いっぱいになりますよ。」
「家が腐っていきますよ」
などと嘘八百を並び立てます。
そこで、出てくるのが「床下換気扇」です。
つまり、床下のカビを一旦取り除いて、その後に小さな扇風機を置くことで空気の流れを良くして乾燥した状態を保ち、カビが生えないようにするというわけです。
私も写真で見せてもらったことがありますが、本当に安っぽい単価数千円の小さな扇風機が、床下に素人がやったようなコードむき出しの状態で5個も6個もおいてありました。
私でもできそうな工事です(笑)
その工事費として、数十万円ものお金を巻き上げるんですね。
専門家によると、床下に扇風機を置いても、そもそも外の空気が入ってこないので中の湿った空気が循環するだけでほとんど効果はないそうです。
そして、恐ろしいのは、1回ひっかかると、その情報を得た同業者間で、次々と住宅詐欺や投資詐欺に訪問して被害額がどんどん大きくなることです。
次は、「屋根裏に入らせてください」などといって、雨漏りや建物の構造欠陥、シロアリ駆除の必要性などを指摘して、「セットでリフォームをすべき」などと言ってきて、今度は数百万円の請求をします。
契約する前に気が付けば誰かしっかりとした親族か専門家に断わってもらえば良いのですが、契約してしまうと、その後の対策が必要となってきます。
訪問販売の場合には、まずは、クーリングオフを検討すべきでしょう。
クーリングオフは契約日を入れて8日以内に、契約の取り消しの通知を送付する必要があるので、8日以上経過するとあきらめてしまいがちです。
しかし、業者が法律の定める書面をしっかりと渡していないと、クーリングオフの期間自体が始まりません。
ですから、契約の時の書面をもって急いで専門家に相談に行くべきでしょう。
そして、仮にクーリングオフの期間が過ぎていても、業者が事実と異なることを言っていたり、注文をした人にとって不利益な事実をわざと隠していれば、それを理由に契約を取り消すことができます。
また、投資詐欺と違って、「契約相手が誰かわからない」ということが少ないため、契約書の記載が不十分な場合や一方的な契約については行政指導を期待することもできます。
だから、逆に、完全に「ブラック」なことをせずに、言い訳がききそうな「グレーゾーン」での活動を狙ってきます。
いずれにせよ、住宅に関することは非常に重要なので、突然の訪問での無料検査の段階で断るのが大切です。
もし、不安があれば自分から、親族や友人が施工を経験して評判が良かった業者を紹介してもらって見てもらうようにしましょう。
現在、高齢者、特に1人暮らし狙いの業者が増えていますので、そのような親などがいる方は、実家に帰った時に、住宅に不要な工事がされていないか一通り見ておくと良いと思います。
おかしいと思ったら、まずは、ご実家のある市役所、町村役場の「消費生活センター」に相談してみましょう。
消費者被害の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。