今回は、仕事をしていた中での雑感を。
とある市の法律相談担当で行った時に、相談者がオロオロしながら入ってきました。
私が
「何かあったんですか?」
と聞いたところ、通知書の弁護士(静岡県外の弁護士で、私の知らない方でした)の名前の所を指さして
「この弁護士さんは過去無敗の上、本来なら負ける訴訟でも勝ちにしてしまうんです!」
と言います。
どうも、自分でその弁護士が自称していたようです。
私は二重の意味でビックリしました。
一つは、その相談者の方の言うとおりだとすると、その弁護士と対決した相当数の弁護士が勝ち筋の事件で負けていることになります。
でも、私の経験上、現実にそんなことはあり得ません。
もう一つ、ビックリしたのは、その弁護士の受任通知後の仕事ぶりが、とても最強の弁護士とは言えないものだったからです。
正直、穴だらけの処理で、訴訟になれば、多分、こちらが勝つだろうという筋の事件でした。
とはいえ、私も一人の弁護士として、法律相談で他の弁護士をこき下ろすことはできません。
困ってしまって、考え込んでしまいました。
どうも、相談者の方は、それを私に自信が無いと勘違いしたらしく、名刺を渡しておきましたが、私の所には依頼は来ませんでした。
この事件自体の依頼の有無に関しては特に問題ないのですが、実際の弁護士の能力と世間での噂とのギャップの大きさには驚愕しました。
専門家の世界を外から見ると、そんなものなんでしょうかね。
うさんくさい「最強の弁護士」には皆さんも気をつけてください。
「弁護士のお話」の過去ブログ記事についてはこちらをご参照ください。