私の生活パターンとして、何となく本屋をぶらつくという行動があります。
時間に余裕がある時ばかりではないので、そんなに長居はしていないと思います。
ピンとくる本を1~2冊見つけた所で、買って帰ります。
本屋さんでは、「売り」として、平置きにしたり、本棚に表紙が見えるような贅沢な使い方をしている本を良く見ます。
私は、平置きにしてある本は既に読んだ本が多く、本棚に表紙が見えるように置いてある本はほどんど購入しないことが多いです。
少し前、本棚に「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」という、写真入りの本が置かれているのを横目で見る機会が多かった記憶があります(映画にもなるらしいですね)。
心の中では、
① この話が本当だとしたら、彼女は偏差値が40下だった時に持っていた、どれだけのものを捨てて、慶応大学に進学したのだろうか?
② もし、これを彼女が自分の「成功体験」として、自分の人生や他人の人生に当てはめようとしたら、難しい人生になるだろうな~
と思いながら。
本屋さんで、私と全く同じ感想を持った方がいたら、是非、お友達に・・・
なりたくないですね(笑)
そんな面倒くさい人、こっちから願い下げです(あれ?)
さて、先月の24日に出された会社からの嫌がらせに関する大阪地裁の判決が出ました。
「大和証券」から関連会社の「日の出証券」に出向した男性従業員Aさん(42才)が、慰謝料200万円を、両方の会社に請求して起こした訴訟です。
大阪地裁によると、今から約2年半前に、Aさんは大和証券から日の出証券に出向を命じられました。
日の出証券では、約4ヶ月間、Aさんを一人だけの部屋でパソコンだけを利用した顧客の開拓をする仕事をやらせました。
その間、営業に関する会議にも呼ばれませんでした。
4ヵ月後に、他の同僚が居る部屋に移れたのは、労働組合を通じて抗議したからです。
4ヶ月間、独りぼっちでパソコン相手に仕事をさせられるのは、精神的に相当つらかったでしょう。
この事案で、大阪地裁は、直接、その仕事を命じた日の出証券だけでなく、出向させた大和証券についても、日の出証券から業務報告を受けていたとして、損害賠償責任を認めました。
とすると、当時39才だったAさんの出向は、「半沢直樹」風に言えば、「片道切符の出向」(大和証券に戻ることはない出向)だったのでしょう。
その年齢での片道切符の出向は若すぎますね。
その点、Aさんに問題があったのか、会社に問題があったのかは分かりませんが、会社がAさんに退職してもらいたかったのは、この異動で明らかです。
会社側に顧問弁護士がいて相談を受けていたとしたら、余りに杜撰な対応ですね。
明らかに、会社ぐるみのパワハラだと言われるのが目に見えており、結果的には会社の社会的信用も失ってしまいます。
逆にAさん側においては、少なくとも法廷での本人尋問、証人尋問の後にはAさん有利の心証が裁判官から言われたでしょう。
Aさんの弁護士としては、大和証券への復帰を和解条件として要求することも考えられます。
もっとも、それを大和証券が承諾するか分かりませんが。
もし、大和証券が承諾するのであれば、Aさんが退職するのでない限り、和解での解決もあり得たのでは無いでしょうか。
今後の見込みとしては、大和証券は会社の信用もかかっていますから、控訴して東京高裁で和解するという方向性で行くのではないかと思います。
この訴訟、200万円の慰謝料請求という形をとっていますが、Aさん側の弁護士の本当の狙いはお金ではありません。
もし、東京高裁で和解した場合には、Aさん側の弁護士の腕が良いことが、同業者として感じられます。
労働問題のブログ過去記事についてはこちらをご参照ください。