「ひざまずいて生きるより、立って死ぬ方がいい」
襲撃されたフランスの風刺週刊誌シャルリエブドの編集長の言葉が、献花とともに捧げられたそうです。
自分達の手で自由を勝ち取ったという国民の意識は脈々と受け継がれているのでしょう。
また、献花に来た市民の声。
「ヒステリーを起こしてはならない。」
事件後、モスクを襲撃したり、アラブ系の国民の就職をより困難にすることが続けば、事態はなお深刻になってしまいます。
テロ行為に屈しないことは、とても大切です。
もっとも、それを「イスラム=悪」という集団的な図式でとらえてしまうと、個々の罪なき人々まで「正義」という名の下に断罪することになってしまいます。
「テロに屈しない」という姿勢をもちつつ、事件の根底にある社会差別・高い失業率を改善していくことが、これから必要になると思います。
現在、立てこもっている被疑者2名についても、決して「殉教者」として死なせることなく、身柄をしっかりと確保して、正式な裁判手続で、本人たちにもしっかりと考える機会をあたえた上で、刑罰を科すべきだと、私は考えます。
さて、今回は、遺産分割調停で、時々行われる「中間合意」のお話をしたいと思います。
「中間合意」が行われるのは、遺産分割調停が、他の調停と比べて長引くことが多いことが原因です。
親族同士でいろいろな思いがあり、それが夫婦のように1対1ではなく、3人以上の親族が複雑に対立しあうので、その性質上、離婚調停より長引きます。
そうすると、家庭裁判所としては、一旦、全員が合意したことはその時点で確定させ、それを前提に調停を進めていくことになります。
それが後で覆されてしまうのでは、何時までたっても調停が終わらないからです。
そのために利用される手続が「中間合意」です。
何か、「中間合意」という名前からすると、一時的な合意で拘束力が無いように思えます。
しかし、「中間合意」の内容は調停調書という書面で全員が合意した事項として記録されますので、後で意見を変えると、「言うことがころころ変わって手続を遅延させようとしている」と、周囲から怒られます。
ですから、調停での「中間合意」にも、事実上、当事者を拘束する力があります。
また、調停で「中間合意」をしていた場合には、当然調書がある以上、裁判官は審判に移行した後も、全員に「中間合意」に異論が無いことを確認します。
そこで、異論を唱えると、一旦合意したことにどうして異論を唱えるのか、厳しく理由の説明を求められます。
そこで、合理的な理由が説明できないと、やはりただのクレーマー扱いとなってしまいます。
そして、最終的な審判も、調停での「中間合意」を基礎にして行われることがほとんどどです。
そうすると、「中間合意」には、審判期日で認めればもちろん、認めなくても当事者を拘束すると考えておいた方が良いでしょう。
ですから、調停の途中での合意だとしても、それが最後まで自分が動かすことのできない事実となってしまいますので、調停を成立させる時と同じくらい慎重に判断して、意見を言う必要があります。
少なくとも、弁護士をつけないで遺産分割調停を続けてきた方は、中間合意をする前に、有料でも良いので弁護士に時間をとってもらって、じっくりと相談することが必要だと思います。
安易に「中間合意」に応じて、後で後悔しないようにご注意ください。
相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。