今年ももう終わりですね。
皆さんは、どのような年を過ごされたでしょうか。
私は相も変わらず忙しい日々でしたが、「大学や講習などで、役に立つ法律知識を面白く伝えたい」という昔からの目標を一つ達成できた年でした。
私のブログも開始から6年目に入りました。
ここまで続けてこられたのも、読者の皆様のおかげです。
これが、今年最後の更新となりますが、来年も、このブログをよろしくお願い致します。
さて、
「先生は何が専門ですか?」
ご相談される方から良く聞かれる質問です。
自分の仕事を見てみると、まず何と言っても
① 離婚事件
② 相続が絡む事件(遺産分割・預金の無断引き出しなど)
③ 債務の問題についての事件(債務整理・自己破産・個人再生)
が多いです。
次に多いのが
④ 不動産に関する事件
⑤ 中小企業や各種団体の取引に関する問題・労働問題・顧客とのトラブルの対策や交渉・解決
のお引き受けです。
おそらく、昔、サラリーマン時代に、会社などの経理調査の仕事を3年間やって、会計帳簿や伝票類を見慣れているのが、会社の問題を扱う時に役に立っているように思えます。
このような問題を扱う場合、訴訟前の交渉段階での解決を、私自身は目指していますし、比較的得意な方だと思います。
また、私が、宅地建物取引主任者(資格を持つ不動産業者)の方々に法律で義務づけられている講習の講師をしていることから不動産の事件を扱うことは比較的得意としています。
そして、
⑥ 金銭に関するトラブル(債権回収など)
⑦ 交通事故
⑧ 刑事事件
が、同じくらいの比率で入ってきます。
ですから、これらの事件については、経験も多いし、事件の先を読むことができるので「経験がある弁護士」と言っても良いかもしれません。
その他には、子供の頃から機械いじりが好きだったので、産業機械を含む機械のトラブルの事件をよく扱っています。
私が中学生の頃の技術の課題で、「何でもいいから機械を作る」というものがありました。
トランジスタラジオ(古いですね)のキットを使ってラジオでも作っておけば良いものを、個別に部品を買い集めてきて、50W×2のステレオアンプ作製にチャレンジしたことを覚えています。
自分のお小遣いから1万円(現在では3~4万円くらいだと思います)もかけて部品を買い集めました。
皆が格好良い完成品を発表する中、私の作品はお菓子の缶の中にトランスや様々な部品がゴチャゴチャ入って、訳の分からない配線が並んでいる不格好なものでした。
発表では、皆の注目の中、技術室のスピーカーにつなげて音を出すテストをしました。
ところが、どう頑張っても音が全く出ません・・・
ガッカリでした。
友達たちからは
「1万円も出して鳴らないアンプ!(笑)」
と相当からかわれた記憶があります。
ただ、先生が配線と部品を1個1個確認していって、「惜しかったな」と言いながら面白そうにいじっていたのが救いでした。
何故か、その学期でも技術は「10」がついてきました(ちなみに、美術は10段階で3でした・・・)。
チャレンジ精神を買ってくれたのでしょう。
そのような経験を経てきたので、今でも「機械もの」の訴訟をお引き受けすると目が光ります。
例えば、中小企業の製作する複雑な装置の構造の欠陥が争いになったり、交通事故で自動車やバイクのメカニズムから様々な推定ができる事件で、色々と調べたり、推論したりすることは、夢中になってやってしまいます。
相手の弁護士から、「機械の分野が専門なんですか?」と聞かれたことも何度かあります。
そうすると、私に向いている訴訟は、機械の欠陥などが争点となっている訴訟ということになります。
主観的には、本・音楽の中毒者なので、著作権侵害が問題となる訴訟をやってみたいという気持ちは強いです。
しかし、以前にもお話した通り、「好きなこと」を仕事でしてしまうと、「好きなこと」をやるときにすぐに法律とつなげて考えてしまい、趣味を失うのではないかとの恐怖心があります。
音楽を聴いていて、「このパクリは著作権侵害の判例上、まずいんじゃないか」などという発想が出てきたらちょっと残念ですもんね(笑)
幸い、機械に関する訴訟は、会社からのご縁が多く、結果的に数多くこなしている反面、著作権侵害訴訟は、静岡ではビジネスとして成り立つのは難しく、ご相談は時折受けるものの、訴訟は1件も経験がありません。
冒険はしてみたいのですが、趣味は失いたくないという難しいところです。
まずは、機械分野や、経験の多い分野について、更に深く理解したり、新しい制度や判例を勉強したりして、現実的にお役にたてる方法を探していきたいと思っています。
それでは、皆様、良いお年をお迎え下さい。