弁護士の仕事はビジネスか?

昨日は、睡眠時間を削って仕事を早めにすませて、夕方から焼津市民文化会館まで「山崎まさよし」のコンサートへ行ってきました。

 

前半は、心地よいアコースティックサウンドで、爆睡してしまったのですが、「セロリ」を歌った時の周囲のみんなの歓声で目が覚めました。

 

おかげで、後半はばっちり音楽を楽しむことができました。

 

ギター・ドラム・ベースのトリオのみというシンプルな構成で、コーラスも無く、それがかえって音楽に入り込みやすい感じで良かったです。

 

「One more time,One more chance」は、やはり良い曲だと感じました。 

 

さて、今回は、弁護士が、仕事をどれだけビジネスと割り切れるかということです。

 

これは、「良い、悪い」というより、皆さんがどのタイプの弁護士に依頼したいかの問題です。

 

弁護士という仕事は、私にとってはボランティアでは無いですが、純粋にビジネスと言えるかというと、これも違うのではないかと思います。

 

私だけの感覚かもしれませんが、「ボランティアでやっている」と思ってしまうと、その努力も中途半端なものになってしまいそうな気がします。

 

もし、「困った人だから・・・」と無料でやってあげたり、着手金の分割払が遅れてご連絡もいただけないような場合には、弁護士のほとんどは常に多忙なのですから、他の仕事との関係で後回しにするでしょう。

 

でも、例えば、日々の生活にも困っている人が、毎日の食事を1回減らして貯めたお金を、弁護士費用の分割払として持ってきてくれたら、すごいプレッシャーです。

 

そのような貴重なお金をもらったら、睡眠時間を削ってでもすぐにやるでしょう。

 

もちろん、正当な弁護士費用を一括で支払っていただいた誠実な方についても、同じプレッシャ-を感じます。

 

そういう意味では、弁護士という仕事を「ボランティア」という気持ちでやることには、私はあまり賛成できません。

 

では、かといって、完全なビジネスと考えるというのもちょっと違うというのが私の発想です。

 

というのは、ビジネスで成功して大金を儲けたければ、別に、人生をかけてあんな危険な試験(司法試験)に挑戦した上で、経済効率の悪い弁護士なんて仕事に就く必要がないと思うからです。

 

試験のために半分頭がおかしくなるような努力をするくらいなら、自己分析して、自分に合ったビジネスモデルを構築して、従業員を雇って規模を拡大していった方が儲かる確率は高いと思います。

 

実は、私も、仮に交通事故など、不意の事態で弁護士資格を失った場合に、食っていくために準備しているビジネスモデルは、一応あります。

 

でも、弁護士資格をいただいているうちは、絶対にそちらのビジネスをやるつもりはありません。

 

なぜかというと、弁護士の仕事が単純に「今まで経験した多数のアルバイトや仕事の中で、自分が最も面白いと感じた」からです。

 

一番気に入っている所は、肩書きに支えられているという前提ではありますが、「自由度が高い」ところなんだと思います。

 

確かに、弁護士の仕事は、サラリーマンと比べて、毎月給与が入ってくるという安定性や、仕事と私生活を分離して、ワークライフバランスをとりやすいという点では確実に劣ります。

 

でも、日弁連・弁護士会から「弁護士」という肩書きをいただくことで、

本来なら鼻も引っかけてもらえない相手と直接交渉ができたり、

相手がどんな巨大でも、臆せずにたった1人で戦えたり、

刑事事件という特殊な世界を経験できたり、

私にとって自分を成長させる材料がこんなに豊富な仕事は無いと思っています。

 

ですから、私は、決してボランティアなどではなく、ビジネスとして弁護士という仕事をしていますが、その中には「自分が勝手に好きでやっている」という趣味的な要素が入っていることは否定できません。

 

私にとっての弁護士の仕事の代え難い魅力は、

「自分の判断で動ける範囲が極めて広い」

「その結果、依頼者にご満足いただければ、(組織ではなく)私自身に対して感謝をしてもらえる。」

「その上、アンテナを敏感にしていれば、専門家として、人間として、成長できる材料がゴロゴロしている」

という点でしょうか。

 

でも、これは私だけの弁護士の仕事に対するバランスで、おそらく、弁護士1人1人が微妙に異なる価値観・バランスで活動しているのではないかと思います。

 

以前チェックリストで

・法律相談の時間が30分5,000円の場合、30分や1時間という切り  の良い時間になると、弁護士が急に話しをまとめて終わらせ始めた。

・法律相談の時、弁護士が、何の説明も無く、腕時計や壁の時計をやたら気にしていた。

というのは、弁護士の仕事の時間単価をきっちりと計算して、普通のビジネスに近い感覚で、弁護士という仕事に取り組んでいるケースです。

 

でも、それが悪いという訳ではありません。

 

もし、このようなタイプの弁護士に相談した場合、着手金を安くしてもらって、逆に成功報酬の方を相場よりも多額にする契約をすれば、とても頑張って仕事をして、成果をあげてくれると思います。

 

ですから、弁護士に依頼する時に「できるだけ良い買い物をしたい」というご希望であれば、上のタイプの弁護士に、上手に料金設定をした上で、依頼すると良いと思います。

 

依頼される方の判断資料にしていだければ幸いです。

 

「弁護士のお話」の過去ブログ記事についてはこちらをご参照ください。 

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カテゴリー: 弁護士の視点from静岡

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