交通事故のお話をしていると、本当に誰にでも起こる怖いものだと実感します。
私も以前、交通事故にあったことがあります。
道路が工事中で、工事作業員の指示に従って車両を停車させていたところ、後から前方不注意の自動車に衝突されました。
相手は、朝の通勤途中で、ボーっとしていたようです。
たまたま、その相手が誠実な人で、自分でしっかりと損害賠償をしてくれたので、問題になりませんでした。
でも、相手が不誠実な対応しかしてこなかったり、無保険だった場合、相手が通勤途中だったことから、会社の責任を問えないでしょうか。
これは、ケースバイケースで、会社が自家用車での通勤を認めていたか、会社での仕事に自家用車を使わせていたかなどの事情を考慮して判断されます。
平成18年の大阪地裁の判決で、会社が自家用車での通勤を禁止していた場合に、会社の責任を否定したものがあります。
この事例では、加害者が会社の近くの駐車場を借りており、これに対して会社は厳重に注意などはしていませんでした。
でも、それだけでは、自家用車での通勤を認めたり、助長したりしたとまではいえないとしたんですね。
これに対して、会社が従業員に自家用車での通勤を認めて、仕事でも積極的に使わせていたような場合には、通勤途中での事故でも会社の責任が認められる場合もあります。
大企業などでは、しっかりと通勤方法を決めているんでしょうが、中小企業だと何となく自家用車での通勤を認めていることも多いので注意が必要です。
せめて、自家用車での通勤を認めるのであれば、自賠責保険はもちろん、対人無制限の任意自動車保険への加入を義務づけるべきでしょう。
交通事故の民事事件の基礎知識についてはこちらをご参照ください。