9月に入ったというのに暑い日が続きますね。
暑さで体調を崩されないよう、皆様お気を付け下さい。
さて、今回は交通事故のお話です。
ある人が無免許で飲酒して自動車を運転をして、オートバイと衝突して相手に怪我をさせてしまいました。
その人は、車を停めて被害者に「大丈夫ですか」と声をかけました。
そして、周囲にいた人に救急車を読んでもらって、救急車が近くまで来たのを確認して、現場を離れました。
さて、このような場合にも、被害者の救護義務違反として道路交通法に違反すると言えるのでしょうか。
東京高等裁判所の裁判例では、これを肯定しています。
つまり、救急車をしっかり呼んでも、その場から立ち去ってしまえばいわゆる「ひき逃げ」にあたるとしたんですね。
では、交通事故を起こした人は、被害者に対してどこまでの義務を果たせば良いのでしょうか。
この裁判例では、
① 救急車が到着するまで止血措置をするなど被害者の容態を見守って
② 救急隊員に被害者の怪我の容態などを説明し
③ 場合によっては、救急車に同乗して病院まで行くこと
が必要としています。
相当重い義務ですよね。
事故を起こすと気が動転して、その場を立ち去ってしまってから、頭を冷やして警察に連絡や出頭をしてくるケースも多いです。
でも、後々のことを考えると、とにかくその場に止まって、救急車や警察官が来るのを待つことが、結果的に軽い処罰で済むんですね。
交通事故は、いつ、誰にふりかかってくるか分かりません。
もしもの時のために、「こんな重い救護義務があるんだ」としっかりと覚えておくと良いかもしれません。
交通事故の民事事件の基礎知識についてはこちらをご参照ください。