今日の静岡は、暖かな春の陽気で気持ちの良い天気でした。
私は、法律相談や現地確認などで出張していました。
あちらこちらで、桜から新緑に変わる風景が少し心をなごませてくれました。
さて、今の社会では、人間関係や色々な問題から心の病を抱えられる方も多いようです。
心の病と言っても、統合失調症やうつ病など色々な種類がありますよね。
裁判離婚の事由にも精神病を理由とするものが規定されています。
それは、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」です。
では、例えば、夫がうつ病になってしまい働けなくなった場合、妻からの裁判離婚の請求は認められるのでしょうか。
最高裁判所の判例では、この精神病による離婚事由を厳しく限定しています。
単に精神病にかかったというだけでは離婚事由にはなりません。
病者の今後の療養、生活等について、お金の負担をしてあげるなどの出来る限りの手立てをとって、ある程度病者に生活の見込がたったような場合でなければ離婚は認められないとしています。
ですから、夫がうつ病になって働けなくなったのであれば、まずは、妻が自ら働いて夫と子どもたちの面倒を看なければなりません。
その上で、諸般の事情から離婚を認めるかどうか判断していきます。
例えば
① 夫の実家に余裕があって、夫を実家に戻せば夫の生活が困らないとか
② ある程度、妻が夫の療養費を負担していく意思を示している
などの事情があれば、離婚を認める方向に傾くでしょう。
結婚後に、配偶者が精神病になってしまったケースは色々ありますが、裁判で激しく争われるのは妻が精神病になってしまったケースが多いようです。
そのような場合、夫が子の親権をとるか、妻側(祖父母)が親権をとるかが、離婚自体よりも大きな問題となっているのかもしれません。
いずれにせよ、結婚した以上、配偶者がうつ病になって働けなくなったというだけでは、離婚請求は認められないようです。
離婚の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。