今回は、離婚のお話をしたいと思います。
離婚のご相談を受けていると、配偶者からの暴言や侮辱的な言動を理由に離婚できないか聞かれることが多いです。
裁判例としては、色々なものがあり、結局、暴言の内容、回数、期間、その他の婚姻関係を破綻に至らしめる事情を総合的に判断することになります。
地方裁判所の裁判例ですが、約20年にわたって、妻が夫やその母親(義母)に侮辱的言動を続けたことを認定して、離婚を認めたものがあります。
その妻の侮辱的言動は昭和24年頃に始まり、昭和40年頃には激化します。
その内容としては、
「結婚して損をした」
「夫が母親(義母)とべったりだ。」
「威張るな。」
「ばか、何を言いやがる。」
などです。
その結果、昭和51年頃からは、食事も寝室も別の家庭内別居状態になりました。
このようなケースでは、子供たちは、母親側の味方につくことが多いので、夫は家庭内で完全に孤立してしまいました。
また、妻は夫がその母親(義母)と話をする度に、
「2人で何を相談した。何を悪口を言った。」
と夫に一方的にどなりつけてきました。
このような夫婦の不仲を心配した夫の母親(義母)が、妻と話し合おうとしたときにも、
「ばばあ、早く死んでしまえ。」
などとののしり、全く話しに応じませんでした。
このケースで、横浜地方裁判所は、夫から妻への離婚請求を認めました。
妻の暴言の内容がひどく、それが20年以上もつづいたことや、夫が長期の家庭内別居で孤立していたこと、妻の義母への対応などを考慮したものだと思います。
ただ、これはケースバイケースで、必ずしも暴言や精神的虐待が短期的にあったというだけでは、離婚請求は認められないこともあるので注意が必要です。
離婚の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。