今日は、「ハービー・ハンコック」というジャズミュージシャンのピアノを聴きながら記事を書いています。
彼は、公務員の家庭で生まれ、小さなころからクラッシックピアノを習い、11歳でシカゴ交響楽団と共演しています。
マイルスのように麻薬におぼれる時期もなく、ジャズ界のエリート街道を進んだような感じです。
自分で演奏するだけでなく、作曲やアレンジにも大きな才能をみせています。
その反面、ピアノを前面に押し出したトリオのアルバムが1枚も無いということで、ちょっと寂しいです。
さて、労働者に働く権利があるかというお話ですが、結論から言うと無いというのが裁判例です。
要は、使用者は賃金さえ支払っていれば、原則として労働者に労働の場を提供する必要はないということです。
裁判例としては、次のようなものがあります。
Xさんは新聞社に採用されましたが、半年間の見習期間が満了すると、会社から解雇の通知を受けました。
そこで、Xさんは、「解雇は無効だ」と新聞社を相手に訴訟を起こしました。
Xさんは訴訟にあわせて、別途、就労妨害排除の仮処分の申立をしました。
つまり、「新聞社で記者として働かせて欲しい」という要求をしたんですね。
でも、東京高等裁判所では、労働者が使用者に対して有する権利は賃金支払い請求権が主たるものであって、一般的には就労請求権まではないと判断しました。
ただ、例外を二つあげています。
一つは、「労働契約に特別の定めがある場合」です。
これは当然ですよね。
契約で、労働者の働く場の確保を特約として約束していれば、それに使用者は拘束されます。
二つめの例外は、「業務の性質上労働者が労務提供について特別の合理的な利益を有する場合」です。
たとえば、働いていないと技能が著しく落ちてしまうような仕事の場合です。
地方裁判所の裁判例ですが、調理人に例外を認めたものがあります。
調理人は、常に調理をしていないと、腕そのものが落ちてしまうという理由です。
ただ、裁判例では、例外をなかなか認めないので、裁判で争っても原則として就労請求権は無いと思った方が良いと思い見ます。
弁護士も、上の調理人と似たような面があるとは思いますが、解雇されたら独立して仕事をすれば良いので、例外にはあたらないと判断されそうですね。
労働問題のブログ過去記事についてはこちらをご参照ください。