もう、今年も終わりですね。
本当に早いもので、1年間が、あっという間に過ぎていきます。
さて、犬を飼うブームもあって、犬に関する事件を聞いたりすることが多いです。
犬が人を噛んでしまった場合、もちろん飼い主に動物の占有者としての責任が生じます。
そこで、よく争いになるのが、被害者の方と犬との噛まれた時の関係です。
被害者は、犬に損害賠償請求をしてもしょうがないので、散歩をしていた人や飼い主に損害賠償請求をしていくことになります。
このとき、よく問題となるのが、被害者の加害者の過失の関係です。
例えば、突然近寄って飼い主の許可を得ないで頭を触って驚かせたりしていれば、被害者にも過失があることになります。
これに対して、飼い主(散歩をしていた人)が、犬をひも(リード)で結ばなかったり、リードが長すぎたりすれば、加害者の責任が重くなります。
犬の散歩を注目していることは少ないので、他に目撃者がいないことが多く、この事実関係の証明は難しいです。
ただ、裁判例を見ていくと、犬の飼い主に不利なものが多いようです。
たとえば、犬の散歩で、側を通ったご老人に自分の犬が吠えてしまって、驚いたご老人が転んで大けがをした場合にも、飼い主が責任を負うとしたものがあります。
自分の犬が吠えるかどうかは、散歩していてもなかなか事前に予測できないので、これで全責任を負うのは、飼い主からみると相当きついものがあります。
自動車保険ほど、動物保険は多くの方が加入はしていないようですが、住宅の火災保険や自動車保険が総合保険型だと、保険金で対応できるので、加害者になられてしまった方は確認すると良いと思います。
できれば、しつけをしっかりするとか、散歩の時に注意をするなどしてトラブルを防止したいものです。
人間と同じように、犬にも一匹一匹性格が違うので、それに応じた注意を飼い主がしていくしかないんでしょうね。
ちなみに、犬が尻尾を振っているのは、喜んでいる時だけでなく、警戒しているときもあるとのことです。
尻尾を円をかくように振っている時は、喜んでいることが多いようですが、尻尾よりも表情で確認をした方が間違いないようです。
舌を出してリラックスしているようであれば、喜んでいる場合が多いようです。
私も何件か、犬の問題について訴訟をやったことがあり、犬の習性と飼い犬に対する人の意識をいつも考えさせられています。
「日常生活の法律問題」の過去ブログ記事についてはこちらをご参照ください。