不倫した夫(妻)と不倫の相手とはどのような責任を負うの? ~ 不真正連帯債務

今週の静岡は天気予報では、良い天気が続きそうです。

 

ウチの事務所は、日当たりがとっても良くて、日中は室内温が30度近くまであがってしまい、冷房が必要だったりします。

 

さて、不倫の慰謝料のお話ですが、AとBとが夫婦でCがAと不倫行為を結んでしまったという事例でした。

 

AとCとでは、Bに対する責任は、貞操義務違反したAの方が重いというお話は前にしたと思います。

 

では、CよりAの方が責任が重いというのは、現実的にはどのような形で現れるんでしょうか?

 

たとえば判決で認められる慰謝料が150万円で、AとCの責任が2:1だったとします。

 

すると、Bは、Aに対して100万円、Cに対して50万円を請求できるということになるのでしょうか。

 

実はそうではありません。

 

共同不法行為といって、複数の加害者違法な行為人の権利を侵害した場合、加害者は「連帯して被害者に対して責任を負います。

 

ですから、AとCが共同して不倫をして、Bの平穏な夫婦生活を送る権利侵害した場合、AとCは「連帯して」Bに責任を負うことになります。

 

この債務の性質は、正確には「不真正連帯債務」と呼びます。

 

つまり、BはAにもCにも150万円を請求することができます。

 

ただ、これは、Bが、AとCに合計300万円請求できるという意味ではありません。

 

たとえばCが夜逃げをしたり、破産したりした場合でも、BはAに150万円請求できるという意味です。

 

では、夜逃げをしたCに代わって、AがBに150万円を支払ったとします。

 

この場合には、AはCに対して、Cの負担すべき部分50万円を請求していくことができます(この権利を「求償権」と呼びます。)

 

つまり、Aの方が責任が重い」という効果は、AとCとの関係で初めて生じてくるということなんですね。

 

被害者であるBについては、確実被害の弁償受けられるよう保護するために、AとCの責任の重さに関係なく全額を請求できるようにしたんですね。

 

実は、地方裁判所の裁判例には、このような考え方と少し違う判決をしているものもありますが、まだ少数の判決なので、原則論をご説明しました。

 

「不倫と慰謝料」の過去ブログ記事についてはこちらをご参照ください。

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カテゴリー: 不倫と慰謝料

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