今日も暑くなりそうな一日です。
私も、今日は、ご相談、打ち合わせ、訴訟、交渉など、仕事が連続して入れてしまったので、忙しい1日になりそうです。
さて、今回は「公営住宅を借りる権利は相続できるのか?」という問題です。
都営・県営住宅や市営住宅(合わせて「公営住宅」と言います。)に住まわれている方もいると思います。
この場合、住宅を借りている権利は賃借権です。
賃借権は、原則として相続の対象となります。
例えば、アパートを借りていた人が死亡した場合には、その配偶者や子供たちが、賃借権を相続して住み続けることができます。
ただ、内縁の妻は相続はできないということは前回、お話しました。
とすると、公営住宅の場合にも、基本的には都道府県や市町村との間で、建物の賃貸借契約を結んでいるのですから、借りる権利(賃借権)は相続できそうです。
ところが、最高裁の判例はこれを否定します。
なぜかというと、公営住宅の場合、収入が少なくて民間のアパートに住めないような方を対象にしています。
ですから、入居者を決めるにあたっては政令・条例の定める選考基準に従って、判断していかなければなりません。
そして、入居者の収入が政令で定める基準を超えることになった場合には、入居年数に応じて、明け渡しを求めることになっています。
なので、親が低所得で公営住宅に居住できていたとしても、その子供については、別に収入状況を確認しないと居住を認める訳にはいかないんですね。
そして、その子供が高収入だった場合には、入居の条件を満たさないことになってしまい、出て行ってもらわなければならなくなってしまうんです。
その意味で、公営住宅の賃借権が当然に相続されるということにはならないんですね。
収入の低い人に幅広く公営住宅を供給するという目的のためにはやむを得ないのでしょう。
ただ、ガラガラに空いている公営住宅を時々見ることもありますので、条件に合った人ができるだけ入れるように積極的に広報活動をして欲しいとは思います。
相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。
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