刑務所から愛をこめて ~ 犯罪は離婚事由?

静岡は、雨のち晴れだったので、昼間は大分蒸し暑い日でした。

 

今日は、珍しく浜松の裁判所に行きました。

 

浜松市は、静岡市と同じ県内ですが、浜松市が西の端にあって、東海道線に乗ると1時間以上かかってしまうので、大抵は新幹線をつかいます。

 

新幹線だと25分くらいで到着します。

 

浜松の裁判所は、JR浜松駅から徒歩15分くらいの距離にあり、結構歩きます。

 

帰りは蒸し暑さで汗をかきかき歩いてきました。

 

幸いなことに、新幹線は、すいていて、冷房もはいっていたので快適でした。

 

裁判の結果も良かったので、一安心しながら帰ってきました。

 

さて、今回から、離婚事由についてお話していきたいと思います。

 

離婚事由というのは、方が「離婚はしない!」と言い張っていても、裁判で強制的に離婚を認めてもらえる事情のことを言います。

 

条文上で具体的に定められているのは以下の4つです。

 

①一方配偶者の不貞行為浮気

 

②一方配偶者が、他方配偶者を悪意で捨てた場合~勝手に家を出て行って、生活費も送らない場合などです。

 

③一方配偶者の生死が3年以上明らかでない場合

 

④一方配偶者が治る見込の無い強度の精神病にかかってしまった場合

 

では、それ以外の場合には、裁判で離婚を強制することはできないのでしょうか?

 

実は、条文では、以上の他に「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」を離婚事由としてあげています。

 

たとえば、夫の妻に対する激しい暴力があるようなケースです。

 

この「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかを巡っては、色々な争いが考えられます。

 

では、例えば、夫が窃盗をした疑いで逮捕されてしまった場合にはどうでしょうか。

 

確かに、逮捕されると、警察からマスコミにも情報が流されますので、新聞やTVで報道されてしまい、家族の立場居もつらいものになる場合もあります。

 

でも、夫が逮捕されたというだけでは、「婚姻を継続し難い重大な事由」には直ちにはあたりません。

 

夫は、起訴されないで釈放されるかもしれませんし、罰金刑程度ですむかもしれません。

 

夫が、反省して「もう二度としない」と誓っていれば、婚姻の継続は不可能ではないと思います。

 

それでは、実刑判決をうけて、刑務所に服役してしまった場合はどうでしょうか。

 

夫は刑務所からも「離婚したくない」と妻にラブコールを送っていた場合にも、妻があいそを尽かして離婚することはできるのでしょうか?

 

これは、事件の種類や動機・情状にもよります。

 

例えば、強姦事件実刑判決を受けてしまった場合で、夫も事件をおこしたことは認めている場合には、離婚事由になると言えるでしょう。

 

強姦事件を起こした夫と、妻が今後、夫婦間で正常な性生活を営むことは難しそうですよね。

 

そうであれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」があったと言えるでしょう。

 

では、窃盗をおこして刑務所に服役した場合はどうでしょう?

 

窃盗で実刑判決を受けるというのは、盗んだ額がかなり大きいか、常習犯のケースが多いです。

 

仮に、窃盗でも、夫が同じ事件をこりずに何度も繰り返すと、妻は大変です。

 

妻は、最初のうちは、夫と一緒に被害者に謝りに行ったりしていたけれども、その回数が多すぎると妻も疲れてしまうこともあります。

 

妻としても、一度や二度であれば我慢できても、それ以上繰り返されると、夫の「もうしない。」という反省の言葉を信じられなくなるでしょう。

 

このような場合には、やはり夫婦間の信頼関係は破綻したとして「婚姻を継続しがたい重要な事由」があったと言っても良いかと思います。

 

いくら夫が刑務所から愛をこめて手紙を何通出しても、愛想をつかされてもしょうがない事情がある場合には、妻からの離婚請求が裁判で認められるということです。

 

刑事弁護をやっていると、服役している夫を何年も待つ妻に会うことも何回もあります。

 

犯罪をしてしまうことを除けば、夫として、父親として、問題の無い人だという考えのようです。

 

夫婦関係も本当に色々だと痛感します。

 

離婚の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

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カテゴリー: 離婚のお話

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