「労働者」と「使用者」

最近、刑事事件を引き受けていませんでした。

 

2~3年前だったら、常に何件かの刑事事件をやっている状態が多かったのですが、ここ3か月くらい刑事事件がありませんでした。

 

「静岡県中部地域は、犯罪が少ないようで結構なことだな~」

 

そう思っていたら、久しぶりに昨日、「被告人国選事件」(起訴後に弁護人が選任される事件)がまわってきました。

 

久々の刑事事件なので、記録をていねいに読もうかと思っています。

 

さて、今回からは、雇用労働のお話をしたいと思います。

 

あえて雇用」「労働とタイトルを入れたのは、使用者雇う側)と労働者働く側)両方の視点から考えていきたいという理由です。

 

弁護士の仕事をしていると、色々な立場に立ちます。

 

交通事故では、被害者側と加害者(保険会社)側。

 

医療過誤では患者側と医者側。

 

そして、労働事件では、労働者側と使用者側。

 

おおざっぱに言うと、交通事故の被害者側、医療過誤の患者側、労働事件の労働者側というのが、弱い立場の権利保護の性質があって共通しています。

 

そうすると、ある事件では一方の立場で主張をし、他の事件では他方の主張をするというのは矛盾するようにも思えます。

 

でも、常に一方の立場だけが保護されれば良いとは限りません。

 

例えば、労働事件で、労働者の権利を守ることも大切ですが、それに偏りすぎると、使用者の利益=会社の利益を損なってしまいます。

 

会社が傾いては、かえって労働者の不利益にもなってしまいます。

 

ですから、このブログでは、できるだけ、使用者労働者両方の利益を考えながら、お話をしていけたらと思っています。

 

私は、実際の事件を扱う場合にも、どのような立場にたっても、しっかりした仕事ができる弁護士を目指したいです。

 

色々な立場で事件を経験した方が、自分の人間としての視野も広がると思っています。

 

さて、雇用と労働に関する法律は数多くのものがあります。

 

労働三法」と呼ばれる①労働基準法・②労働組合法・③労働関係調整法や労働者災害補償保険法・最低賃金法など色々な法律があります。

 

その多くが、労働者の利益を保護するためのものです。

 

なぜなら、歴史的に見て、労働者は、使用者の命令に逆らえない弱い立場にあったので、法律でその権利を保護しなければならないからです。

 

そうすると、「労働者」にあたる人は様々な法律で保護されますが、「労働者」あたらない場合には、保護されないことになります。

 

そこで、「労働者」にあたるか否かが裁判で争われています。

 

労働問題のブログ過去記事についてはこちらをご参照ください。

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カテゴリー: 労働事件のお話

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