遺言と民法、どっちが強い?

昨日から今朝にかけての天気はひどかったですね。

 

静岡だけでなく、関東地方も同じような天気だったようです。

 

今朝は、雨風が強くて、傘が壊れてしまった方も多く見かけました。

 

もうすこし、春らしく穏やかな天気になってもらいたいものです。

 

では、今回から、また相続のお話です。

 

民法で定める相続分法定相続分)と

遺言の内容

が食い違うことがよくあります。

 

たとえば、母親が「自分の財産のうち2/3を長男に相続させ、長女には1/3を相続させる。」という遺言を書いてあったとします。

 

父親が既に死亡しているとして、法定相続分では、長女の取り分は1/2ですが、遺言では1/3と少なくなっています。

 

どちらが優先するのでしょうか?

 

民法の規定遺言どっちが強いのかという問題です。

 

結論から言うと、遺言の方が強いです。

 

つまり、遺言に従って、長男が2/3を、長女が1/3を相続することになります。

 

どうして、遺言の方が強いとしたのでしょうか。

 

ちょっと難しい言葉ですが、私たち、個人(私人)同士の関係を定める法律(民法や商法など)では「私的自治の原則してきじちのげんそく)」があると言われています。

 

私的自治の原則とは、例えば、

 

自分自身の契約(例えば、コンビニでおにぎりを買うなど)をするかしないかその契約内容なについては、私たち自信が原則として自由に決めていくことができる

とする考え方です。

 

遺言も、人間の最後の意思表示です。

 

ここについても、まずは、財産を持っている人の意思を最優先して、遺言で自由に処分を認めます。

 

その上で、その意思が無い場合にだけ法律(法定相続分)で補充しようとしているんですね。

 

日本では、遺言を書く意識があまり強くないので、なんとなく法定相続分の方が原則になっていました。

 

ただ、弁護士として仕事をしていると、最近では、遺言を書かれる方が、確実に昔よりも増えている実感はあります。

 

意外と兄弟姉妹でも、相続人それぞれの親子関係の受けとめ方や考え方が違っていることが多いです。

 

なので、財産がたくさんある方は、遺言を書いておくと良いとは思います。

 

なお、「全財産を長男に相続させる」というような遺言になると、長女の最低限の取り分(これを遺留分いりゅうぶん)と言います。)さえ侵害していることになるので、この場合には、別の対抗手段があります。

 

これは、また後々お話いたしますね。

 

相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

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カテゴリー: 相続のお話

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