【相談前のお悩み】
「父が亡くなって相続が始まったのですが、通帳を見たら亡くなる直前から直後にわたって多額の引き出しがあって驚きました。」
「兄は父が自分で使っていた分もあるし、父の生活のために使ったものだと言っていますが、金額が多すぎて納得できません。」
【弁護士のアドバイス】
1 「兄に返すように請求できるのでしょうか?」
預金から出金したのが兄であることをお兄さん自身が認めているか、常識的に見て出金が多すぎるという事情があれば、返還を請求することができます。
2 「兄の出金を遺産分割の中で調整できるのでしょうか?」
お父さんが亡くなったのが2019年7月1日以降の場合には、改正された相続法により、死亡後に兄が出金した分については遺産分割調停の中で審理される可能性があります。
→ 死亡後の出金等についての詳しいお話はこちらへ↓
https://www.hanamizuki-law.com/succession00028.html
それ以外の場合には、兄が承諾しない限り、遺産分割ではなく、通常の裁判(民事訴訟)で、別途請求していくことになります。
3 「『父が使ったので知らない』という兄の言い分は通るのでしょうか?」
お父さんが当時、本当にそれだけの金額を使えるだけのの判断能力があったのか、出金額が大きすぎないか、兄がお父さんの財産を勝手に使えるような関係にあったのか、などの事情から判断していきます。
兄の言い分が、あまりに不合理であれば、それが裁判で否定されることもあります。
【相談・依頼後の感想】
「父が死亡した後の兄の出金については、遺産分割調停で裁判所に取り上げてもらえて、納得できる金額が返されました。」
「父が生きているうちの出金は不明な部分が多いですが、どのような証拠を集めれば良いか教えてもらえました。その結果、調停とは別に裁判で請求する決断ができて良かったです。」