【相談前】
デザインの仕事を個人でされている方(30代・女性)からのご相談です。
業務でグラフィックデザイン用のソフトを、深く考えないでコピーして別のパソコンでも使っていました。
そのことを、誰かがソフトの売主に連絡してしまいました。
それを知った売主が、ご相談者様にからは、無断でコピーしたとして損害賠償請求の内容証明郵便が届いて困っていました。
【相談・依頼後】
売主が訴訟を起こすまで放っておくと、売主にも弁護士費用、裁判費用がかかるため、和解がより難しくなります。
そこで、早期に売主に連絡をして、訴訟外での和解の意向があるかを確認していきました。
売主にはソフト代金分の損害が発生していたので、その金額を基準に和解を進めていきました。
その上で、割引きなく定価でコピー分のソフトを追加購入して代金を支払う形で和解できました。
ご相談者は、もともと必要だったソフトの買取のため実質的な損害は発生せず、また、その費用も経費に計上できたため、デザインの仕事に支障が生ずることなく解決できました。
【弁護士のコメント】
この事案では、買主にとってはソフトはもともと必要なものであり、売主にとっても売買の形を取れば売上実績に計上できるメリットがありました。
特に、デザインとして専門性の高いソフトで1本が高価になることから、売主の利幅も大きかったことが解決への助けとなりました。
交渉では、事案ごとに双方の立場、ニーズを読み取って、それを調整することが大切だと感じた事案でした。
※ 依頼者のプライバシー保護の観点から内容を修正しています。